読んだもの:「ハイパーインフレーション」「やり直し姫」読んでいるもの:「下野足利氏」読もうと思うもの:「ルイ14世の世紀」書こうと思うもの:未定

Posted at 22/05/27

5月27日(金)雨

今日は未明からずっと雨が降っている。起きたのは4時前だったけど、昨日村上春樹の話を思い出したこともあって、起きたらすぐ書くことにかかろうと思ってその前にいろいろ片付けようと入浴したり車で出かけて週刊漫画Timesを買ったりガソリンを入れたりして戻ってきてから自分の頭の中を整理しながらノートに書いて、ジャンプ+と週漫を一通り読んだ。今日は面白い作品が多かったが、特に面白かったのはいずれもジャンプ+の「ハイパーインフレーション」と「やり直し姫は夫と恋したい」だった。

「ハイパーインフレーション」はすでに単行本も何巻か出ている一部で話題の作品なんだが、経済史の知識と他に類例のないギャグセンスで爆笑させられながら思いがけない方向に話が進んでいくのが面白い。ドラマ作りも上手いと思う。キャラクターもこの作者以外には考えつかないのではないかと思う変なキャラが多いしモブですら面白い。関わる勢力が大集合してこれから山場だと思わせてくれる展開で、今週はかなり満足した。


 

「やり直し姫は夫と恋したい」は転生・タイムリープものなのだが、大きな時間軸と世界の何度とないやり直しの繰り返しの中で、物語の大構造がようやく見えてきた。これは以前も書いたかもしれないが「構造逆転劇」とでもいうべき作品で、学生時代に見た劇団綺畸の如月小春作「ロミオとフリージアのある食卓」を思い出す。マンガだから世界全体をやり直すことが可能なのでそのスケールの大きさは舞台とは違う訳だけど、姫とアゼルが生まれた理由に遡って説明され、このどん詰まりの構造の中でどうやったら世界を救うことができるのか、という重大ポイントに近づいているという感じだ。この作品はインディーズ連載なので単行本化は約束されてないとは思うのだが、ぜひ紙の単行本にしてもらいたいなあと思う。まあ、姫とアゼル、また他の人々のキャラクターがとてもいいということもあるのだけど。



「下野足利氏」を読み始めた。研究書なので基本どこから読み始めてもいい訳なので、ちょうど「鎌倉殿の13人」に出てくるあたりの事件を扱っている小谷俊彦「鎌倉御家人足利氏」を読んでいる。当該の時代の当主は足利義兼(1154-99)と足利義氏(1189-1255)。義兼は「源氏の嫡流」を名乗れる立場であるにもかかわらず源頼朝の鎌倉に帰参したことで優遇されたが、頼朝晩年の源氏勢力の粛清の中で出家して身の安全を図っている。隠居した足利に作られたのが足利学校の元になったものだと言われていることを知った。子の義氏は三男だが母が北条時政の娘・時子であることから嫡子になったようで、常に義時・泰時の側につき、また評定衆などの重職は避けながら有力御家人としての立場を保ったようだ。

 

承久の乱の前年に大江広元邸で義時・時房とともに小弓会を催していて義時勢力の中枢にいたことがわかる。このことは坂井孝一「承久の乱」(中公新書)で確認しようと思ったのだが、触れられていなかった。これは引用はなかったがおそらく「吾妻鏡」の記事なのだろうと思う。

「鎌倉殿の13人」ではまだ足利氏は出てきていないが、というよりまだ時房や時子など義時の兄弟すら出てきていないので、これからの展開の中で出てくるのだと思うが、やはり「後の足利将軍」の祖先が平安末期から鎌倉政権でどのような存在だったのかを考察するのは興味深いなと思う。今日は「鎌倉殿の13人」公式ガイドブック後編の発売日なので、楽しみにしたい。


 

「古楽の楽しみ」でフランソワ・クープランに関連してルイ14世とマントノン夫人の関係等に興味を持って、マーケットプレイスで「フランスの歴史を作った女たち」3巻を注文したのが25日の朝だったが、昨日26日にはすでに届いていて、ちょっと驚いた。マケプレでもそれだけ迅速に対応してくれる人がいるんだなあと。この本は以前読んでいるので癖があるのはわかっているのだが、ルイ14世の宮廷とそれを取り巻く女たちについて概略を知るにはまあ役に立つかなと思う。本を読まないと基本的な知識がWikipediaから仕入れたものが濃くなりすぎる。Wikipediaの内容ももちろん無料で読めるにしては昔では考えられないような記述量があって本当にありがたいのだが、記事の匿名性というのが基本的には引っ掛かり、ある意味「怪文書」的な内容のこともあるので気をつけないといけないと思う。

マントノン夫人の項に関してはかなり彼女に寄った立場で書かれていて、「古楽の楽しみ」できいたあまりに禁欲的すぎてパリ市民たちに嫌われていたイメージが掴みにくかった。今までもルイ15世時代の王妃・マリー・レクザンスカ(ポーランド王女)やポンパドゥール夫人・デュ・バリー夫人については興味を持ったことはあったがルイ14世時代についてはあまり関心がなかったので、音楽や芸術と絡めることでまた興味を持って調べられるかもしれないと思った。王母アンヌ・ドートリッシュ(スペイン王フェリペ3世娘)や宰相の枢機卿・マザラン、財務総監コルベール、王弟オルレアン公フィリップ、劇作家コルネイユ・ラシーヌ・モリエールなど脇役も充実しているし、この時代もちゃんと興味を持って読めばフランス絶対主義時代の華やかさ、「ヨーロッパ宮廷文化のイデアルティプス」みたいなものがもっとよくわかるのではないかと思った。とりあえずはヴォルテールの「ルイ14世の世紀」を読んでみるということかなと思った。

ルイ十四世の世紀 (1) (岩波文庫 赤 518-3)
ヴォルテール
岩波書店
1958-05-26

 

日記はこのようにして興味を持ったものについて書いていくことになると思うけれども、それとは別に本になるような内容のまとまったものを書いていこうと思った。まだ内容については詰められていないけど、しっかり読めるものにしたいと思う。






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