ジャンプ+で「ドラゴンの子」を読む/「世界秩序の根幹に関わる戦い」と「祖国を守るということ」/「物語の戦争」と「現実の戦争」

Posted at 22/03/15

3月15日(火)雨上がり

月曜日の未明もそうだったけど、今朝の夜明け前にもかなり強い雨が降っていた。夜が明けてくると雨は上がった。雨が通り過ぎてから気温が上がったようなので、温暖前線だったのだろうか。寒冷前線も通過しそうだから、今日はまた晴れるようだけど、気温は昨日ほどは上がらないだろうなと思う。

今朝は別の部屋で寝て起きて、朝からジャンプ+の更新の「ダンダダン」と昨日から読み返していた単行本の「ゴーストガール」を読んでいて、ジャンプラの読切を読んでから「ドラゴンの子」を第1話から読み直したりした。火曜日の朝は買っている雑誌の発売がないので、違うものを読んでいることが多い。少し前までは「資本主義の新しい形」を読んでいたのだが、ロシアのウクライナ侵攻が始まってからまた先行きが不透明になったなと思い始め、今何を読むべきなのか迷っている。

https://shonenjumpplus.com/episode/13933686331679018626

小泉悠さんの「現代ロシアの軍事戦略」をAmazonに注文してあるのだけどなかなか来ない。2週前に松本の本屋で見かけたけど注文してあるから買わなかったのだが、昨日見た時は25日までにお届けになっていてもう見かけたら買おうかと思ったのだけど今見たら17か18日に届くとのこと。17日に松本に行くので迷いどころだが、こういうのは困る。ていうか、3日に買えばよかったのだけど。

東浩紀さんが「自分は平和主義教育下で育ってきているからウクライナの人々が銃を取って戦うような報道を見ると素直には受け入れられないところがある」というようなことを言っていて、私は1995年に阪神大震災とオウム真理教事件があったときに社会党政権やリベラル自治体が事態に対処できないのを見てから、こういう考え方ではダメだと考えるようになったので、こういう状況についてどう考えていたのだろうかと思ったのだけど、社会人であった自分と、大学院生だった今50前後の知識人とでは、事態の深刻さの受け止め方が違ったのかもしれないなという気はした。

そろそろ引退で孫もいるようになってきた世代のわれわれは、今後何かが起こってもすでに現役世代としての対処ではだんだんなくなっていくからそう無責任なことを言うのは良くないけれども、もし日本がウクライナと同じような状況下に置かれても、われわれ日本人は多くのウクライナ人男性と違って軍務経験もないし訓練も受けていないから彼らと同じように戦う能力は多くの人にはないだろう。ただ日本は、大国に周りを囲まれてきたけれども日本本土で防衛戦を戦ったことは沖縄を除いてないので、祖国を守るための戦いというものをあまり理解していない気はする。

日本にとって国を守る戦いというのは今までは基本的に防災だったわけだけど、備えがあったはずの東北でさえ東日本大震災であれだけの被害を出してしまい、改めて防災体制を再構築せざるを得なかった。官僚制と前例踏襲主義で体制内ルールにのみ従っていれば平穏無事、という思考形式は人間の根源的な危機意識を鈍磨させずにはいられない、という事例もさまざまなところでよく見る。危機においての機動的な財政出動よりも財政規律が優先されがちだというようなことも、本質的には変わらないのだろう。

ロシアのウクライナ侵攻は戦後世界のルール、曲がりなりにも1945年以降守られてきたルールを正面から破ったものだし、それは数十年の冷戦対立の一方の中心だったロシアの指導者の現状に対する強い不満に発するものであって、つまりは世界秩序の根幹に関わる戦いになっているのだと思う。アメリカやNATOの戦い方も組織というよりもバイデン大統領という個人の考え方に左右されているように思われるし、実行ある世界秩序や経済秩序をどう再構築していくかはかなり長い過程をこれから必要とするだろうけれども、そういうこともこの戦争がどのように帰趨するかによってかなり変わってくる可能性がある。

藤原定家は「紅旗征戎我が事にあらず」と言って自らの歌道に打ち込んだが、それもまた一つの行き方かもしれないとは思うけれども、世界をどうとらえるのか、どうなっていけば世界はより良くなるのかということが一つの探究テーマである自分にとっては、情勢は気にせざるを得ないところもあり、改めて戦争と平和という古いテーマに(戦争勃発後の反応を見ているとこのテーマはもう克服されたはずだと思っていた人も多かったのだなと思う。そんなはずはないのだけど。)ついてみていく必要がある。それはわれわれ多くの日本人が戦後考えるのを疎かにしてきたテーマだ。「侵略してきた敵と祖国防衛のために戦う」という経験をした日本人は沖縄を除いてほとんどいないわけだから。

今多くのウクライナ人がどういう経験をし、ロシアの人々がどういうふうに考えているか、特に少数派のこの戦争に反対している人たちがどのように行動しているか、またクリミアやドンバスのロシアないし親ロシア派の支配地域の人々はどのように感じどのように考えているのか、というようなことも知りたいなと思う。それは彼らに何ができるかという問題でもあり、われわれ自身の問題でもある。

https://shonenjumpplus.com/episode/3269754496585820291

「ドラゴンの子」はシンプルな作品だが、登場人物には中国人っぽい人物や日本人ぽい人物、ロシア人ぽい人物も出てきて、それぞれが魅力的に動く。感想を読んでいても特に「肉屋」という人物が人気で面白い。

マンガやアニメは「家族や自分たちの世界を守るための戦い」が描かれることが多いのだが、そういうものは子どもっぽいものとして成長するに従って忘れられていく。しかし今行われていることは子どもっぽい世界の、というかある意味原初的な「世界を守るための戦い」なのであって、マンガやアニメの世界での記憶を通してでもこのような事態について考えられることは少しはプラスになるのではないかと思う。もちろん現実は必殺技も超能力もないのだが、現実に信じられないような英雄的な戦いぶりや士気によって戦況が左右されるという人間ドラマ的な面も戦争にはかなりあるわけで、そういうことはマンガやアニメ、そのほかのフィクションを通して感じられる、考えられることもあるのではないかと思った。

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