アンディ・ウォホールとヴェルヴェット・アンダーグラウンド/「鎌倉殿の13人」:「北条宗時」に「片岡愛之助」を配役した意味

Posted at 22/02/07

2月7日(月)晴れ

朝起きてお茶でも飲もうかと水道の蛇口を捻ったら出が悪く、でも数秒で水が一度に出たので凍りかけていたのだと思う。そのくらいは寒かったのかと気温を確認したらマイナス8.3度。だいぶ冷えているようだ。水道が凍らなくてよかった。

Atlantic Crossing
Stewart, Rod
Warner Bros / Wea
2000-10-02



昨日は夕方ずっとFMを聞いていたのだが、4時ごろからはロッド・スチュアートがかかっていた。70年代後半、彼の曲はよく聞いていたのでとても懐かしかった。5時からはMISIAのサンセットDJで、彼女の選曲はどうもやはりあまり私の趣味でないかなと思った。女性ヴォーカルが女性の自立的なことを歌い上げる的な曲はどうもあまり好きじゃないなあと思いながらも、結局大体聞いていた。

ヴェルヴェット・アンダーグラウンド・アンド・ニコ
ヴェルヴェット・アンダーグラウンド
ユニバーサル ミュージック
2017-05-17

 

6時からはサカナクションがヴェルヴェット・アンダーグラウンド&ニコを取り上げていて、私は彼らのことをあまり知らなかったのでへえっと思いながら聞いていた。アンディ・ウォホールが彼らのデビューを助けたというのも初めて知ったのだけど、ウォホールがニコを無理矢理引っ張ってきてヴォーカルに据えたのでルー・リードが困ったという話とかは面白かった。ウォホールといえばポップアートの旗手だけど、最近は「ヴァレリー・ソラナスに撃たれた人」という印象が強くなっていて、でもこのエピソードの強引さを聞くとなんかなるほどなあと思うような部分もあったり。アーティストの自我のぶつかり合いが色々なものを生んだということなだなと思う。破滅的な生き方の人が多いこの時代のアーティストだが、ルーリードもジョンケイルも存命だというのを確認した。ウォホールはもちろん、ニコも亡くなっているのだけど。


 

8時からは「鎌倉殿の13人」第5回「兄との約束」を見た。

最初の蜂起で堤の館を襲って初陣を飾った義時が、おろおろしているところに時政が戦い慣れているところを見せたのが面白かったが、首を斬るのは確かに足で刀を踏みつけるのが合理的だとは思ったが身も蓋もないなとは思った。ああいうのが平安末期の坂東武者の戦いとしてはリアルということだろうか。

勝利後、伊豆の武士の所領を取り上げ、新たな所領安堵を行なって「板東の支配者」であることを宣言した頼朝に対し、平家方の大庭や伊東が頼朝らの十倍の軍勢を集めて石橋山を襲うが、その前に政子たち女性が伊豆山権現に匿われ、寺女の服装をさせられてむくれていたのがおかしかったが、確かに宮沢りえや宮沢エマがあんな格好させられても妙に派手で似合わないなというのが面白かった。ていうか調べてわかったのだけど宮沢エマは宮沢元首相の孫だったのか。小池栄子だけ妙にイキイキしてて面白かったのだが、戦に敗れたと知った3人が突然武家の女たちになってるのも面白かった。

八重のところを頼朝がお忍びで尋ねるのはちょっとなと思ったがまあそんなヤツだといえばそんな気もした。伊東の計略を伝えに八重が伊東の家人である夫に船を漕がせて雨の中北条館を訪れる演出も流石にやりすぎだと思ったが、多分夫の江間に同情する人も多いだろうなと思うジェンダー平等(力関係で女性のワガママが容認される)の現代ではあった。昔だったら単に情けないヤツでドラマにもならなかった気がする。

戦では坂東彌十郎の時政の口上と國村隼の大庭のやりとりの中で明らかに劣勢な時政が激昂してしまうのがお約束っぽくて可笑しかったが、敗戦後洞窟で再起をどう図るかを話し合う中で頼朝が取り乱して宗時が腹を立てて甲斐の武田に交渉に向かう時政が義時に「頼朝の首を持って大庭に謝るか」とか言ったりする状況を結局支えるのが義時だ、というのがよかったのだが、後白河法皇の生き霊が頼朝を励ましたりするのはどうかと思った、というかアレだけ情けない姿を晒すと法皇くらいしか頼朝に喝を入れる人はいないかもなと思ったりもした。

最後は結局宗時(片岡愛之助)回であったわけだけど、最後まで巨漢の工藤茂光と落ち延びるのがまあ明るくてよかったし、ただ二人が千鶴丸を殺した伊東の家人の善児に殺されるという設定は陰惨さをよく演出してはいたけど、武士としては流石に油断しすぎやろとは思った。

問題は宗時の義時に対する心情吐露、「板東の武士たちがまとまって西からきた勢力に自由にさせないようにし、その頂点に北条が立つ」という構想の披瀝なのだが、この時の宗時がそこまで考えていたという設定は流石に行き過ぎな気がした。兄の「遺言」が義時に未来図を描かせた、という物語の結構はもちろんわからなくはないのだけど、ちょっとその未来予想図は・・・みたいな。ただ、頼朝が所領安堵をして坂東の主人たる姿勢を見せたということに宗時が感銘を受けた、ということはあるかもしれないなとは思う。それまでの能天気な宗時がこの時だけ鋭い構想を見せるのがやはりちょっとそぐわない感じがした、ということかもしれない。

まあ史実とはいえ、ここで片岡愛之助と米本学仁が出番が終わりかと思うと勿体無いなとは思った。しかし今まで明確なイメージを恐らくは持たれなかった北条宗時という人物に、大物を配役したことの意味が出てくるのはこれからかもしれない。

しかし大河ドラマでこれだけロケが多いのはいいなあと思った。見るたびに思うが、伊豆の山中の風景がとても印象的だ。ここから物語は伊豆を離れてしまうけれども、また各地の風景が活写されるといいなあと思う。





(ルー・リードは2013年に亡くなっているというご指摘をいただきました。失礼いたしました。訂正させていただきます。)

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by Luke Peterson

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