「連休」前半/結局、共感できるのは小林秀雄だった/適切な補助線

Posted at 21/05/01

なんかあんまりものを書く気にならないのだが、時間があるのでこういう時に書かないと書けなくなるので、とりあえず書き始めた。

しかし時間があると言っても今まで忙しいからという理由でやらないでいたことはたくさん残っているので、連休中にやった方がいいことはたくさん出てくるだろうな。

今日も別に休みではない。朝から植木屋さんが入っているし、また午後からは仕事だ。昨日も一昨日も仕事をしている。7連休の人も多いと思うが私は普段休みの日月にプラスして火曜を休みにしただけで、5日の水曜からは仕事になる。

それでも、世間が休みの日というのは基本的に他の会社の人とかからのアプローチがないし、銀行に行ったりする用事もできないので自分だけ仕事があっても比較的のんびりした気持ちでは過ごせる。平日はやはり仕事に追われてる感が出てしまう。これは仕事の量が少なくても同じこと。営業的になかなか厳しい状態はどこも同じだと思うが、コロナが早く落ち着いてほしいという気持ちはかなりある。

小林秀雄の政治学 (文春新書)
中野 剛志
文藝春秋
2021-03-18



「小林秀雄の政治学」を読んでいて、最近色々な思想家の本を読んではいるのだけど、一番共感できるのはやはり小林秀雄なんだなと改めて感じている。ただ、ずっと小林を読み続けられなかったのは、「文化」の方に傾きすぎた読み方をしていたせいなんだなと思った。「政治」とか「思想」に重点を置いた読み方をしたら、こんなに豊かな読み方ができるんだなあと改めて目を開かされた思いがする。

小林秀雄全作品〈1〉様々なる意匠
小林 秀雄
新潮社
2002-10-01



それは、この本で取り上げているのが主に戦前・戦中の著作が多いということもあるんだろうと思う。まだ第4章の初めあたりまでしか読んでいないからこれから戦後の作品も出てくるのかもしれないが、私は基本的に戦後の作品の方を多く読んでいる。「本居宣長」とか。「様々なる意匠」とか「無常といふ事」は読んでいるが、やはり文化面に傾いた読み方をしていたなとこの本を読んで思った。


 

ただ、自分が小林をそういう読み方をできなかった一つの理由は、小林に対する多くの人たちの言説が政治ではなく文化の方に偏っていて、そちらに引っ張られてしまっていたということがある気がする。それは責任を押し付けるというよりも、つまりこの本を読んでこういう補助線を引いて貰えば同じ著作でも全然違う読み方ができるということに気がついたということで、つまりは「良い批評というのは適切な補助線を引く批評である」ということを改めて感じたということだ。

自分が何かを書いて、それに対して感想をもらうときも、書いている内容に対して違う見方ができたとか、その内容に対して興味が湧いたから読んでみたいと思う、というようなものが結構あって、ああ、それもその人にとって適切な補助線になることができたんだなとちょっと嬉しい思いがすることがある。まあ書いていてお金になるような文章でもないんだけど、そういうことで誰かの役に立ち、その人が本やマンガや音楽を買ってくれればそれで経済を回すことにもつながるし、それは巡り巡って自分を豊かにすることにもつながる可能性はあるわけだから、そうやって役に立てることで自分が豊かになるというのは精神論でも比喩でもない、という面もあるのだよね。

話はずれたが、結局、今ツイッターでいろいろ呟いていてもそうだけど、どうしても政治関係のことが多くなるのは、やはり結構そちらに関心があるからで、文化だけを絞って考えるような体質でも自分はないんだなと改めて思う。あまり政治的なツイートが多すぎて辟易させている人には申し訳ないが、ちょっとこの本を読んで正気に戻ってきた(笑)ところもあるので、「自分の思想はさておいて保守主義について調べる」というスタンスを少し置いておいて、「自分が読み下して物にしていこうとしている様々な文章や表現や考え方」みたいなところに重点を変えて書いて行った方がいいのかなと思っている。

まあそういう意味では、私は思想家であっても学者ではないなと思うし、批評よりも実際は創作の方に近い体質があるのかもしれないと思う。まあその思想家というのも、人は誰しも思想家である、という意味での思想家に近い感じはするが。

「進撃の巨人」について考えたこととか、観光や町おこしをめぐる「意識の高さ」の問題について考えたことなども書こうかと思ったが、今日はとりあえず小林のことで終わりにしたい。

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