「世界史の構造」第一部まで読んだ。

Posted at 20/08/24

柄谷行人「世界史の構造」少しずつ読んでいて、今序文・序説と第一部「ミニシステム」まで読み終わったところ。遊動的バンド社会から定住化し、氏族社会が成立した、というところまで。こういう都市文明以前の時期のことは考古学や人類学によって考えるしかないが、柄谷はモノからそれを探る考古学ではなく、現存する様々な民族社会から古代を類推する人類学によってそれを明らかにしようとしていて、そこはちょっとどうかなと思うところもあるが、そこで示唆されるものはいろいろと面白いし、勉強になる。

私はもともと人類学方面のことはあまりよく知らないし、とりあえずは史料が現存する時代の歴史学をやってきたということもあって、その辺の「真実度」に関してはどこまで正しいんだろうと思いながら読んでいるのだけど、アニミズムは遊動的バンド社会にもあったが呪術は定住化した氏族社会になってから発達した、という話とかはかなり興味深いなと思った。呪術もまた文化だということがなるほどと了解される。

まあ言えば世界史の教科書では四大文明以前の記述の少ない部分の話をここまでずっとやってきているわけで、この辺りのことを理論化するために相当な本を読んだであろうこともわかる。この辺りは専門ではないので新しい研究にどういうものがあるのかとかもよくわからないから柄谷の話の適否を判断することも難しい。とりあえずはマルセル・モースなども読んでみようと思い、「贈与論」(岩波文庫)を借りてきて「マルセル・モースの世界」(平凡社新書)をAmazonでポチった。

なかなか手応えのある本なのだが、取り組んでいると自分が勉強すべきでまだちゃんと勉強していなかったところを勉強させられている感じで、とりあえず「やるべきことをやっている感」があるのがいい。いずれにしてもこのくらいのことは理解しておかないと、という感じはする。

とりあえず今日はそれだけメモしておこうと思う。

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