感想より思想

このブログではずっと日常雑記のようなことを書いてきていたのだけど、昨年末からまんがブログを始め、（他のブログもやっていたのだけど最近はそれらもほとんど滞っている）以前からやっていたこのブログはほとんど更新しないできていた。

以前は実際意地になって更新しているようなところもあったのだが、実際に４月頃などはまんがブログを1日４回更新する、ということをやっていて、さすがにそれ以外のサイトを更新するということはできなくなっていたし、また更新回数を減らしてからも（今のマンガブログの更新数は多くて1日2回、必ず1回は更新している）他のブログを更新する気がなくなってしまっていた。

ずっと続けていたこのブログも、ここ数ヶ月開店休業状態で、それでもブログへのアクセスは一日100〜200はあったのだけど、最近さすがに100を切るようになってきた。更新数がこれだけ減れば当たり前と言えば当たり前なのだけど、Googleのアルゴリズムが変わる際にこのブログの過去ログがあまり拾われなくなった、ということがあるようだ。やはりGoogleの力は、ブログなどにおいてはかなり強い。

ただ、まんがブログは更新を続けていて、そちらの方は今、一日約3000ほどのアクセスがあるのでやりがいはあるし、確かに「モノを書きたいという欲」がかなり満たされていることは確かなのだけど、ただ人の書いた作品の批評（というか感想）なので、やはり何か自分の中で表現しきれないものが残っていることもまた確かだなあとは思っている。

それで、今週から、このブログもまた復活させて書き始め、作品的なものも短いものを書きながら、リアルの世界・表現の世界・批評の世界のそれぞれの表現欲のようなものを形にすることにした。

しばらくの間日常雑記から離れてみると、どうして以前はあんなに細々した日常の出来事を必死で書こうとしていたのか、逆に分からなくなっているということもあるが、でも確かに日常のことを書かないことによって自分の中の何かを回復させていた、ということもある気がした。

日常について書く、というのは、自分の中であまり書きたくないことについても、けっこう書いているので、なんというかできたばかりの傷をえぐるような部分がある。まあその辺りのところが、読んでいたただいている人に何か伝わるものがあったのだろうなあと思うのだけど、あまりそういうことをルーティン化し過ぎてしまうことも良し悪しだなあと思った。

だからもう、日常雑記なんか書かなくてもいいやあ、という気持ちもあったのだけど、なんというかある意味「強化した日常雑記」みたいなものを書いて行けばいいんじゃないかとも思っている。いったい何が「強化」されているのか良くわからないが、なんというか雑念のようなものだろうか。（笑）

雑念と言ったら変だが、こういうことをやってよかった悪かった、みたいなことよりも、それとはもっと違った次元のことと言うか、ある種の意志のようなもの、とでも言えばいいだろうか。良かった悪かった、というのはつまり「感想」ということだけど、「感想」はもういい、みたいな感じのところが今はある。

感想ではなかったら何かと言えば、まあ大げさに言えば「思想」とでも言うことになるだろうか。感想を書いていると、どうしても日常の感受性レベルのことにとらわれた思考しかできなくなるような感じがあって、その日常の感受性にのみ依拠した文章を書くのではなくて、感じたことをすぐ書くのではなくて、自分の中で何かがたまって考えが進んで行ったものを取り出して書く、みたいな感じにしたいと思う。

そうなると生鮮食品より発酵食品、みたいな感じになって行くし、より読む人の好みによって好き嫌いが出て来るような文章になるだろうと思うけど、そんなふうにしたいと思う。

というか最近、本もあまり読みたくなくなってきたし、一時はなんというか書くために読む、みたいなところがあったのだけど、今はそういう部分はない。読んでも必ずしも感想を書かない、というのはなんかある意味贅沢な感じがする。その感じたことについて自分の中で言葉にしないまま何度も考えたり思い出したりすることによって育って行く何かがある、という感じがする。

ずっと日常雑記を書いていた時はむしろ、その発酵のしかたがなんだかあまりいい方向に行ってないような感じがしてとにかく吐き出していたのだけど、今はあまりそういうことがない。いい方向に行かなかったらいかなかったで、それもまたそれに合う形（つまりフィクションとして）で文章にして行けばいいんじゃないかと思うようになってきた。

まあそれでもおそらく思想というには大げさな何かではあるのだけど、形にして行こうと思っている。