作品を見ていいなあと思うことがいかに大事か/ふみふみこさんのサイン本の『ぼくらのへんたい』1巻を買った
Posted at 14/05/06
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【作品を見ていいなあと思うことがいかに大事か】
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昨日。一日にアニメを3本見てそれぞれに感想を書くというのは思ったより大変なことだということが分かった。マンガならば自分のペースでどこでも読めるのであまり時間と場所を気にしなくていいのだけど、アニメは録画で見ても生で見ても受像機を必要とするし、やはり映像美がかなり大きなウェイトを占めるのでなるべく大画面で見たい。ニコニコ動画で見るのも手軽でよいのだけど、やはりそれだけでは何かを見落としてしまう。
また、マンガは手元に置いて確認しながらものを書けるけど、アニメは見落とし聞き落しがあると巻き戻して確認しなければならないのでその手間もかかる。またCMを飛ばしたりもするから15秒巻き戻しと30秒飛ばしのボタンを駆使することになった。それでメモを取りながら、また原作を持っている『シドニア』に関しては原作を手元に置いて確認しながら見ていくことになる。まあこれは吉田秀和が新しいレコードを聴くときに楽譜を手元に広げて確認しながら聞いている映像を思い出して、なるほど作品批評というものはこういうふうにして書くものなのだなと改めて感じ入った次第。何の先入観もなく映像を見るというのとはやはり大きな差がある。まあ私としてはどちらも楽しいからいいのだけど、シドニアに関しては夜もう一度何の前提もなく見直してみて、やはりいいなあと思った。この「いいなあ」というのがなければ、すべての作品批評は崩壊してしまうと思うし。
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また、『イヴの時間』は『シドニアの騎士』のBDを注文した際、特典としてついて来たアマゾンインスタントビデオ用のポイントを使って見たものなので、iPadでインスタントビデオのアプリをダウンロードして見たから、まああまり大画面というわけではなかった。それでもそれならばiPadを手に寝転がって見ることもできるという利点もあって、それはそれで悪くないと思った。
アニメにおいて批評を書くという行為と、ただ何となく見る、鑑賞するという行為との違いは、アニメはほかの映像作品に比べてもかけ離れて「ただ何となく見る」ということができるメディアなので、訳が分からないまま、つまり「この作品はどういう作品なのか」ということをつかまなくても抵抗なく見ることができるという特徴があるということで、しかし批評を書くためにはまず第一に『この作品はどういう作品か』という自分なりのとらえ方、解釈がなければならないから、いろいろ調べることになる。ただの感想だったら「なんとなく面白い」とか「何となくいやだ」で済ませられるが、さすがにそれでは説得力がないし、ただ時間を潰しただけになるのはもったいないので、見たものの意味を考えることになる。
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「なんとなく」ということで言えば、『極黒のブリュンヒルデ』も『イヴの時間』も必ずしも第一印象からよかったわけではないのだけど、人気のある作品はそれだけのものがあるのではないか、という仮定から面白さが出てくるまで少し我慢して見ていたところはあるわけで、何となく感覚的に不満、ということだけで見ていたら絶対出会えなかった面白さではある。敢えて批評を書いているからこそ出会えたわけだし、アクセスアップを目標にして人気のある作品には面倒くさがらずにトライするという姿勢が少しでもあったから出会えた作品なのだと思う。
一度マンガやアニメから離れてしまうと、どうしても新しい作品でなく、自分が若い頃の作品を懐メロ的に回顧するだけになってしまうし、そういうのを「卒業」というわけで
それはそれでいいのだけど、だけど新しい動きをヴィヴィッドに感じることはできなくなってしまう。
自分にとっては感性的に、常に新しいものに触れていないと自分が衰えていく感じがするのだ、ということが最近よくわかったので、90年代の作品は大きく欠損はしているのだけど、あえて2010年代からの作品に再復帰して見て行きたいと思っている。必要があれば古いものも見て行かなければなあと思うのだけど。
【ふみふみこさんのサイン本の『ぼくらのへんたい』1巻を買った】
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そんなことを考えながら夕方ひさしぶりに神保町に出かける。特に何か目当てがあったわけではないけど、頭の中にぼんやりと神保町のイメージが湧いたので、行くことにした。書泉ブックマートで本を物色していたらコミックリュウの作品のサイン本が並んでいて、持ってはいるのだけどふみふみこさんの『ぼくらのへんたい』第1巻を買った。あとであけてみると表紙見返し全面にまりか(裕太)の手描きイラストとふみふみこさんのサイン。天上にも上ろうかという思いとはまさにこのこと。やはり手描きの威力は凄いなあ。私も何冊かいろいろな作家さんのサイン本は持っているけれども、昔はその意義があまりよくわからなかったのだけど、最近は素直にうれしいなと思う。
そのあと三省堂、東京堂、すずらん堂などなど物色し、書泉グランデなどの新刊書店も人文関係の本がそろった古書店もいくつか回って、なんだか久々に外部と交流した感じになった。何か食べて帰ろうと思っていくつか頭に候補を浮かべたのだけど思いつかず、「鯵ごはんセット」の看板に魅かれて入った新しい蕎麦屋さんがとてもおいしくて安くて、ポイントがかなり高かった。鯵ごはんともりそばで、もりは十割そばと書いてあり、入り口に蕎麦粉の袋が積んであったから、実際にその店で打っているのだと思うし、食券機とかおいて配膳も自分でやるセルフなのだけど、店内の雰囲気はよくて、節約できるところは節約して美味しいものを安く提供するというコンセプトが非常によくわかってよかった。
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