ハーバート・リード『芸術の意味』/イギリスで話題の日本人バンド:Taffy

Posted at 13/06/18

【ハーバート・リード『芸術の意味』】

芸術の意味
ハーバート・リード
みすず書房

昨日は午後少し日本橋に出て、食事の買い物をしたりふらっと入った古書店で本を買ったり。ハーバート・リード『芸術の意味』(みすず書房、1966)訳者は瀧口修造。音楽と少年、と自分のテーマを定めたとたんにその周辺の様々なことにも関心が深く湧いてきて、まだなかなか読めていないものの本を買い漁っているという状況。面白いと言えば面白いんだが、まだなかなか産物には結びつかない。しばらくはこのブログで書きながら自分のテーマを深めていくという状況か。お付き合いくだされば幸甚。

この本はまだ読み始めたばかりで15/193ページなのだが、最初にいいと思った言葉は「芸術とは心楽しい形式をつくる試みである」という言葉。(Art is most simply and most usually defined as an attempt to create pleasing forms.)pleasing なformsをつくろうというattenmt がArtなのだ。pleasingというのは含蓄のある言葉だ。フランシス・ベーコンを見てもpleasingだと感じる人は感じるわけだし。

音楽というものについて考えるとき、芸術というもの全般について、まあ別に考えなくてもいいんだが、しかしまあそういうものがまさにpleasingに感じるのでついそういうことを調べたり読んだりしたくなるわけだけど、「すべての芸術は音楽の状態に憧れる」というショーペンハウエルの言葉が引かれていて、音楽のアートとしての純粋性、抽象性が称揚されている。つまり日常的な建築物や言葉や画題などを使わずに直接聴衆を楽しませることができる (Only the composer of music is perfectly free to create a work of art out of his own consciousness, and with no other aim than to please.)というわけだ。リードは詩人でもあるので、こうした形の音楽の称揚は何か思うところがあるんだろうなあと思う。

私は多分ある種の左翼性とかナチュラリスト傾向を持っているので(ここももっと自分で解明しないといけないな)そういうアートの泥臭さとか土の匂いのする感触を必ずしも悪いものとばかりは考えていないのだけど、この辺のところはもっと読んでいかないとわからないところなんだろう。

蛇足だが、私はこの本の書題を『芸術の起源』だと覚え違いをしていた。どうも歴史をずっとやってきたということもあって「意味」よりも「起源」を重視してしまうところがあるんだなあと思う。「起源」は知的探求には必要だが、行動を起こすために必要なのは「意味」の方だろう。行動のための読書がいつの間にか知的探求にすり替わってしまう傾向が私にはあるので、注意しながら読まないとと思った。


【イギリスで話題の日本人バンド:Taffy】

今朝なんとなくツイッターを見ていたら、ある方のアカウント経由で佐々木俊尚さんのツイートを見て「Taffy」というバンドの存在を知った。日本では全く無名だが、イギリスでは相当評判になっているらしい。ビルボードではこんな記事が。

公式サイトを見ると、YouTubeの動画なども上がっている。サウンドは一口では言えないが昔のプラスティックスやRCなどの音を思い出した。ただ、一口で言えるものではなく、今までの音楽的遺産がつぎ込まれている感じで、楽しいサウンドだ。日本では先週三軒茶屋のライブハウスに出たらしく、これからはしばらくイギリスツアーに行くらしくて日本で聞く機会がいつになるのかわからないが、少し聞いてすごく気に入ったので早速amazonで昨年のアルバム『Caramel Sunset』を注文した。

Caramel Sunset
Taffy
Club Ac30

何しろ日本デビューしてないので注文先がドイツの会社になってしまい、いつフルレンジのアルバムが聞けるのかいまいち分からないが、楽しみにしている。

なんだかんだ言っても私はメロディアスなブリティッシュロックが好きなので、こういうバンドが出てきてくれるのは大歓迎。それに、こういう本格的なロックが評価されるのは日本よりはイギリスなんだろうなとも思う。野球でいきなり大リーグに行く例が出てきているように、現地で大成するバンドがこれからは出てくるのかもしれないなと思う。

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