告知・『本の木の森』『ガール』をパブーで公開しています/小説をプロモートするということ/買い物メモ

Posted at 12/01/16

【告知・『本の木の森』『ガール』をパブーで公開しています】

『本の木の森』『ガール』の2作品をパブーで公開しています。

パブーで『ガール』が週間17位。文芸では3位、ヒューマンドラマで2位に入りました。ありがとうございます!もっともっと読んでもらえるとうれしいです。どうぞ御贔屓に。


本の木の森

『本の木の森』も近日中にもっと読みやすくリニューアルする予定です。そちらもどうぞよろしくお願いします。


【小説をプロモートするということ】

小説を書くということ、小説を読んでもらうということはブログに文章を書き、それを読んでもらうこととは違うところがある。小説ははっきりとした枠があり、はじめがあり、終わりがある。独立性が高い。それはオリジナルな世界を設定しオリジナルな執筆方針を持ってオリジナルなことを述べているからだ。フランス革命について書かれた本はごまんと存在するが、私の小説世界について書かれた本は私の本しかない。もちろん村上春樹なら新しい小説が出るたびにそれを追いかけてたくさんの読み解き本が世に現れるわけだけど、新しい小説が出る前にそれについて書かれた本が出されることはもちろん不可能だ。そういう意味で新しい小説が書かれ、それが発表され、それが読まれるということは一つの事件なのだ。フランス革命と同じように。

その小説を読んでもらうようにプロモートするというのは、つまり今までなかったものをこういうものだと説明したり、面白いから読んでみてよと勧めたりすることだ。私もこのブログで人の本を評価して面白いということは何度もしているけれども、読者の立場で推薦するのと作者の立場で売り込みをかけるのとではぜんぜん違う。

読者の立場で推薦するときはその本の内容そのものに加えて自分の感想という材料がある。また作者のスタンスを描写し、それに対する自分のスタンスを描写することで立体的なイメージをブログの読み手に届けることが出来る。

しかし自分の書いた小説を売り込むということは、外形的な情報をいろいろ明らかにし、あらすじをなるべくキャッチイに表現して読もうという気を起こしてもらわなければならない。また売り込むといっても手段は限られていて、今のところツイッター・フェイスブックとこのブログ、それにパブー本体でコメントをつけたりすることくらいだ。

またなにぶん初めてなので有料にするのか無料にするのかによって受け取る側の心の構えも違うし、PCで読んでもらうのかダウンロードしてiPhoneやスマートホンなどで読んでもらうのかによって画面の設定の仕方、技術的なことで言えばPDFにするときの行数文字数フォントの設定なども違ってくる。最初はよくわからないからいろいろ試行錯誤することになるし、それはまだ続いている。

幸いアクセス自体は閲覧数(作者にしか公開されない)にして今のところ『本の木の森』で900以上、『ガール』で700以上いただいていて、とても励みになっているし、そういうさまざまな数字が換算されて人気順位がつけられているのだろうと思う。とにかくまずこういう作品がある、ということを多くの人に認識してもらわなければいけないから、これはブログのアクセスアップを図ったときも同じだったけど、なるべく人目に晒す工夫をしなければいけない。フェイスブックは本格的に使い始めて日が浅いので数的には少ないがリアルな友人に情報を伝えられるし、ツイッターではフォロワーの方400人以上に、ブログでは毎日300~400平均の方にリアルタイムで情報を伝えることが出来ている。またありがたいことにRTなどで情報をさらに広げていただいている方もいて、飛び石伝いに私の想像以上に多くの方に情報が届いているのだと思う。またパブーでも20000冊を超える作品が公開されているから、パブー自体において新たな広がりも生まれているのではないかと思う。

もちろんこれは大きな新人賞を受賞して出版社のプロモートで何万部も売る、という特急コースとは違うけれども、一人で考えながらすべてを決めて工夫したことが直に跳ね返ってくるという種類の経験を積むことは出来る。音楽で言えばインディーズ、というかYouTubeでのプロモーションと似ている。店頭で山積みになった新刊小説を、たまたま手にとって読んでもらうことを想像するのも楽しいけれども、ネットの巡回中に思いがけず出会った小説を好きになってもらうことを想像するのもまた楽しい。どんな形であっても小説はパーソナルなものを起点として、書いた方からすればなるべく大きな「読み」の輪が広がってくれるとうれしいし、またそうやって広がることによって紙の書籍も出版していただける機会につなげていけるといいなと思っているのだが。

今後書籍がどういう形態になっていくのかは分からないけど、電子書籍はそのひとつの形であることは間違いないだろう。音楽がレコードからCDになって、今では電子配信が一般化しているように、どんな形でもやっていけるように準備しておく必要が書き手にはあるだろう。こういうものの売込みを考えていると、目指すことの射程はけっこう長いなと思う。まずは少しでも多くの人に読んでもらうためにいろいろ工夫することからしか始まらないが。


【買い物メモ】

丸善丸の内本店にて。

珈琲時間 (アフタヌーンKC)
豊田徹也
講談社

豊田徹也『珈琲時間』(講談社アフタヌーンKCDX、2009)。『アンダーカレント』で出てきた探偵の山崎さんが活躍する短編など。珈琲よりは人間模様のほうに焦点がある。コメディありヒューマンドラマありシュールな短編あり。味わいもそれぞれに違う。しかしそれもまた店によって、豆によって、煎り方によって、挽きかたによって淹れ方によって、カップによって飲む状況によってぜんぜんその味わいが違ってくる珈琲のようなものかもしれないとも思った

ただ、「描き切れてない」という印象のものが多かったなという気はする。思い余りて言葉足らず、とでも言うか。『アンダーカレント』に見られるまるで小津や相米のような長回しの魅力が生かせる作品が読めたらうれしいなと思った。読了。

あんぽん 孫正義伝
佐野眞一
小学館

佐野眞一『あんぽん 孫正義伝』(小学館、2011)これから。立ち読みした限りでは孫社長のあの明るいキャラクターの裏にある壮絶な人生を描いた、という印象。

4階洋書そるど市にて

『Art in XIX century France - Consulat Empire Restration』(Wildenstein)統領政府・帝政・王政復古期のフランスのアート、という題。アングルなどを取り上げている。やはりこの時代には興味がある。

Antonio Lopez
Poligrafa Ediciones Sa

『Antonio Lopez』スペインの画家アントニオ・ロペス・ガルシアの作品集。全然知らないのだが、見てみたら面白かったので。Wikipediaによると1989年の20世紀スペイン美術展に出品しているのでおそらく作品を見たことはあると思う。

The American Townhouse
Murphy,Kurzaj
Harry N. Abrams

Murphy,Kurzaj『The American Townhouse』(Abrams,NY,2005)。植民地時代から20世紀にかけてのアメリカの都市建築を総まとめしたような写真集。古きよきアメリカ、映画の中のような。

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by Luke Peterson

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