自分のあわわわなところとシンクロ/『風の谷のナウシカ』のオリジナリティ
Posted at 11/04/21
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昨日。午後一番に会計事務所に行って決算の打ち合わせなど。結局3時ころまでかかった。それから職場に出て10時まで。いろいろ難しい話が多くて、結構大変だった。そのあと、少し考えさせられる懸案が出てそれについて考え込んでしまった。今日になってからもその問題についてずっと考え込んでしまう。まあある程度考えたら実際に話を動かしてみないと分からないことの方が多いのだけど、よくわからない話につい仮定の話をのせて、余計なことを考えてしまう。
![]() | キュレーションの時代 「つながり」の情報革命が始まる (ちくま新書) |
佐々木俊尚 | |
筑摩書房 |
桜は満開。白木蓮もきれいに咲いている。昼前に蔦屋に本を見に行って、それから平安堂に回る。ツイッターでいつも拝読している佐々木俊尚氏の『キュレーションの時代』(ちくま新書、2011)を初めて立ち読みしてみた。かなり厚い本だが、美術や映画関係の話が多くて読みやすいのではないかという気がした。ためしに読んでみることにした。
![]() | 数寄です! 1 (愛蔵版コミックス) |
山下和美 | |
集英社 |
それからマンガの棚を見ていたら山下和美『数寄です!』(集英社、2011)というのがあり、面白いかなと思って買ってみた。読んでみるとわりと内向きの「自分が出来ないこと」の話が多く、なるほどこういう作者が『天才 柳沢教授の生活』なんていう作品を描くのだなと妙に納得した。登場してくるキャラクターが本人の性格を分け持っているというか、逆にキャラクターに描かれた性格を自己表現に使っているというか。お金に関してあわわわなところのある作者が建築家に助けられつつ数寄屋を建てるという野望を実現していこうという、ある種のスポ根的な感じがしてくる作品だった。いろいろじぶんのあわわわなところと微妙にシンクロしたりしてちょっとアレなところもあったが、それは自分の精神状態のせいだろう。
![]() | 風の谷のナウシカ―宮崎駿水彩画集 (ジブリTHE ARTシリーズ) |
宮崎駿 | |
スタジオジブリ |
それから、何となくくさくさしている気分があったので大型本のコーナーで色々物色し、宮崎駿『風の谷のナウシカ 宮崎駿水彩画集』(スタジオジブリ、1996)を買った。ナウシカのポスターに使われた絵や表紙になった絵だけでなく、イメージボードやナウシカという物語が出来る前のイメージ作りの段階の絵などがたくさん載っていて、これはいろいろ面白いと思った。初期のイメージには森の小人たち的なものがあったり、トールキン的なものがあったりして、オリジナリティがあまり高くない感じがあってそれはけっこうへえっと思った。宮崎駿は最初からあの超絶的なオリジナリティを持って作品を作っていたのかと思ったけれども、いろいろな試行錯誤を経てああいう作品になり、映画ができた後もマンガの連載は続いて映画版とはまた全然違った世界を作り上げて行ったわけで、このオリジナリティが深まっていく感じに感銘を受けた。
服装でいえば、毒を吐く植物の森『腐海』に出入りする少女という設定が健康的に素足をむき出しにする服装を不可能にしてああいう形の衣装になったというのは、そういう健康さみたいなものが出てしまうとナウシカはナウシカではなくなってしまっただろうなあと思うし、そういう設定を作り込んで行く過程でオリジナリティが高まって行くというのはとてもいいなあと思ったのだった。
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