ぐずぐずした男の子の話/とり・みき『クレープを二度食えば』

Posted at 11/04/19

昨日。調子が悪いまま、部屋の中の片付けに手をつける。特に居間の本棚に自分の好きな本、読みたい本を並べることで居間の雰囲気をやりたいことがやれる感じにしようと思っていたのだけど、友人との約束の時間になったので横浜に出かけた。

ルミネのアフタヌーンティーとベイクォーターのカフェ・フラハワイを梯子して延々と話す。先週は元気がなかった友人が今週は見違えるほど元気になっていてよかったなあと思った反面、今週はこちらが元気がないという現象が起こっていたが、友人の絵を見せてもらったり、私の書くものの方向性について話をしたりしているうちにどんどん元気が出てきて、すごく想像力が解放されてきた。

私の書く小説作品というのはほとんどがぐずぐずした男の子が主人公で、先日賞に応募した二本ともそういう内容だったので今度は違うのが書きたいなあと思っていたのだけど、むしろそういう内容を極めた方がいいんじゃないかといわれて、目から鱗が落ちた思いだった。コロンブスの卵というか書くスタンスのコペルニクス的転回というか。言われてみたらそれならいくらでも書くことはあるし、確かにまだまだ掘り下げていけるところはいくらでもあるなと思った。まだまだその方面も中途半端、なのだ。確かにこれをずっとやり続けて、それで行き着くところまで行ったらまた新しい展開がある、というようなものかもしれない。いや、ものなのだろう。そう心が決まると、ずいぶん楽になった。

もう一つは、この春の別れと出会いのこと。長年付き合ってきた相手が何人も一度にいなくなってしまうのは、やはり自分にとって来るものがあるんだなあとなんとなくしみじみ話しながら思った。小説がいいなと思うのは、一度読むようになってくれたらずっと読んでくれる関係になれるんじゃないかということ。読者との息の長い付き合いができたらいいなというのが一つの私の理想なんだなと思う。

そんなこんなを話していたらすっかり元気が出てきた。アフタヌーンティーの隣のBShopでグリーンの(ちょっと織部っぽい)お茶碗を買い、ベイクォーターのkarakoでオルゴールボールを買った。友人と別れて西口の有隣堂に行ったがどうもルミネの方が自分にとっては探しやすい感じ。コミック王国に行って物色したらとり・みき『クレープを二度食えば』(徳間書店、2011)というものを見つけ、へえっと思う。私はコミックリュウに掲載されているトリッターとか、昔の作品では『吉田さん危機一髪』とかのギャグ系のものしか読んでなかったので、こんなリリカルな作品を描いているというのは意外だった。買って帰りの横須賀線の中で読んでいたが、面白い。エヴァンゲリオン以前の青春グラフィティ。今こういうものは描きにくい世の中なんだろうなとは思うが、こういうものを面白いと思う人は必ずいるはずだと思う。今回は再再登場ということだそうだが、そのきっかけは『涼宮ハルヒの憂鬱』の長門さんがセレクトした百冊の中に入っていたことでハルヒファンによる検索が増大したことらしい。よく分からないが、再度書くが、私はこういうのは好きだ。この作品が世に出た20年前だったらそうは思わなかったと思うけど。

クレープを二度食えば(リュウコミックス)
とり・みき
徳間書店

家に帰ってから2時頃まで本棚の整理。それから寝たが寝付けなくなり、イメージの暴発みたいになってきて、寝入りばなに地震が起こったりしたこともあり、夢現のままで6時過ぎまで横になっていた。途中何度もトイレに立った。朝起きたら雨が降っていた。寝床の中でも雨の日の町の音が聞こえていた。

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by Luke Peterson

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