この世界を愛するということ/日本の未来はそう悪くないかも/その後の雪捨て場

Posted at 11/02/16

昨日帰郷。東京は5センチくらい積もったが、郷里の方では20センチほど積もったということで電車がちゃんと動くのか少し心配していたが、携帯で調べた限りでは大丈夫だということで、いつもの時間で出かけることにしたのだが、出発時間の30分くらい前に家でやることがなくなったのでまあいいかと思って結局早めに出かけた。

切りとれ、あの祈る手を---〈本〉と〈革命〉をめぐる五つの夜話
佐々木 中
河出書房新社

団地の中の自然食のパン屋さんで海老カツバーガーとサンドイッチと牛乳を買い、銀行でお金をおろして地下鉄に。大手町に出て丸善でツイッターで紹介してもらった佐々木中『切りとれ、あの祈る手を』(河出書房新社、2010)を買う。また、宮崎駿『風の帰る場所 ナウシカから千尋までの軌跡』(ロッキングオン、2002)で宮崎が「文明の行き詰まりだとか、人間と植物の関係だとかっていうようなことはグジャグジャ書いてないけど、そういうものを含めたことがちゃんと書いてあるんですよ。」と言っているフィリパ・ピアス『真夜中のパーティー』(岩波少年文庫、2000)も探したのだけど、なかったのでその場で携帯でamazonに注文した。

時間があったので指定を取った後、東京駅の構内のエキュートに行き、水を買ってそのほかの工芸品など見ていたら桜のお香があったので買ってみた。中央線で新宿に出て、定時に出発。食事をした後、「苦役列車」を読んだり羽生善治『大局観』を読んだり。山岡拓『欲しがらない若者たち』も読んで読了した。

風の帰る場所―ナウシカから千尋までの軌跡
宮崎 駿
ロッキング・オン

それから順番は忘れたが、『風の帰る場所』も読了している。昨日読み終えた『最後の国民作家 宮崎駿』もそうだったけど、この本もかなりインパクトがあった。『風の谷のナウシカ』の漫画版に渋谷陽一も宮崎も何度も言及しているので実家に戻ってからちらほらと読み直したが、この作品はやはりすごい。ものすごくスケールが大きいのに、ちゃんと成立しているところがすごい。ナウシカという作品は、宮崎の人間存在と人間に生きているこの世界に対する愛と怒りを表した、作品なんだと思った。ナウシカは作中、何度も「向こう側の世界」に行きかけるけど決して「向こう」にはいかない。それが宗教的な覚者とは違う。こんなにひどい世界ではあるが、ナウシカはこの世界を愛している。それは宮崎自身の愛の告白なのだ。ここで生きる、しかないという宣言なのだ。ものすごい怒りを内包しつつ、しかしこの世界で生きるしかないという決意。その強さが宮崎のアニメに強い緊張感を与えている。そしてそれが愛ということなのだと思う。

欲しがらない若者たち(日経プレミアシリーズ)
山岡 拓
日本経済新聞出版社

『欲しがらない若者たち』は最近の若者の消費性向の弱さに対する分析なのだが、何というか読んでいるうちに今の若者たちが実にまっとうであるということがはっきりしてきて面白い。簡単に言えば「見えとしての消費」をしなくなっているということだ。そして本当に欲しいものだけを買う。消費者として成熟していると言うべきだろう。ここで国内需要を盛大に喚起しようということは無理がある。真っ当な、身の丈に合った生き方を多くの若者が選んでいるとしたら、それは本来の日本人の美徳なのではないだろうか。何というか基本的に、日本の未来はそう悪くないような気がする。強さという点に少し欠けるかなということは確かなので、不安材料はないとは言えないけれども。

Balthus (Taschen Basic Art)
Gilles Neret
Taschen America Llc

実家に戻ると、前日にamazonで注文しておいたGilles Neret"Balthus",Taschen Basic Art,2003が届いていた。夜まで仕事。

今朝は起きてからいろいろやることがあったが、自分の仕事(生きるための)と創作について少しいろいろ考えながら文章を書いたり。ひと段落してからお金をおろし、図書館に本を返しに行き、コンビニで水道代を払い、会計事務所に書類を届けて、ガソリンを入れて帰って来た。ちょうど配達が来て、昨日丸善の中で注文した『真夜中のパーティー』がamaozonから届いた。これだけ早くて送料無料では、一般書店は競争にならないなあと思う。昼食後、職場の前の雪を捨てに雪捨て場に2往復。今日の雪捨て場は土曜日のような詩情はもうなく足元はずぶずぶだしブルドーザーががしゃがしゃ音を立てつつガンガン雪を積んでいてただの現場になっていた。

真夜中のパーティー (岩波少年文庫 (042))
フィリパ・ピアス
岩波書店

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by Luke Peterson

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