「生きていたいに決まっているじゃないですか」

Posted at 10/12/09

今日も朝からずっと小説を書いていたのだが、今日は資源ごみの日なので6時半ごろ職場に出て資源ごみを出す。帰りにモーニングとスーパージャンプを買って帰る。朝食後、二冊読んでから小説の直しを始める。12時前に息も絶え絶えに。12時半に知人の葬儀に顔を出すため、喪服を着て母と出かける。昼食は1時過ぎ。少し小説の直しをして、少し休んで銀行や郵便局の用事に出たら職場に出る時間ぎりぎりになってしまった。

楽園Le Paradis 第2号
シギサワ カヤ,中村 明日美子,二宮 ひかる,黒咲 練導,沙村 広明
白泉社

火曜日帰郷の時に丸の内丸善で買ったもう一冊は、『楽園』の2号。うち二宮ひかるとシギサワカヤはすでに単行本で読んでいたのだが、他のものはあまり読んではいない。結構いろいろ来るものがある作品群なので「読むべき時」みたいなものがある感じがする。ただ、あの寡作な鶴田謙二がちゃんと8ページ書いてたのはよかった。内容は思わず笑ってしまうユーモラスなもので、こういうものも書くんだなこの人は、と思った。

いろいろないきさつで定期購読している『月刊MOKU』。昔はかなり面白い記事が多かったのだが、最近はどうもヒットする内容が少なくなっていた。しかし、この12月号の内容は違う。MOKUと言うと今まで知らなかったすごい人を紹介してもらえるとか、知っている人でもそういう人だったのかと見直すような記事が多いのだけど、今回はそういう人が何人もいる。一番印象に残った人を二人上げれば、スーダンのNPOロシナンテスを主宰している外務省医務官出身の川原尚行氏。テロ支援国家として支援が制限されているスーダンで医療支援をしている。この記事やサイトを見ているといろいろと「スーダンってこんな国だったのか」と思う。スーダンといえば私の中ではダルフールの印象が強いが、そのブログ記事でゆうめいになった極東ブログ氏も多分欧米経由の情報だろうし、現地からそのままの情報と言うのは何とも言えない力があるなあと思う。

もう一つ印象に残ったのが『自殺対策に取り組む僧侶の会』を主宰している藤澤克己氏。文字通りの活動なのだが、なるほどと強く印象に残ったこと。

「今の社会は泣きごとを言ったり、悩んだりしてはいけない。つらいことがあっても「プラス思考で生きて行かないとけない」「前向きに考えよう、明るく考えよう」とよく言われます。性論かもしれませんが、そう言われればいわれるほど、泣きごとをいえば、社会で通用しない人、負け犬、と言った目で見られてしまいます。/実際、会社でも精神的・肉体的につらいときに、「今はこの仕事はできません」とはなかなか言えないですよね。そんなこと言ったら最後、「向上心が足りない」とか「ダメな社員」と烙印を押されてしまう。だから辛くても無理して仕事を続ける。その結果、さらに精神的にも体力的にも追い込まれ、限界を超えて自殺してしまう人もいる。/泣きごとを言えないというのは、社会に抑圧があるからです。そんな社会は、やはりどこかおかしいと思います。本当につらいときは、「申し訳ないですが、今はできません」と無理なく言えるような社会の方がいい。」

全くその通りだなあと思う。この社会の生きにくさと言うのは、やはりどこか異常だ、と私も思う。ただそういうことを言う人は少数派だし、少数派なりのバイアスがかかっていて、ちょっと他のことで話が通じにくい人が多かったりする。まあ私自身は、なるべく生きやすい場所を求めて生きているし、(というかそうでないと生きられないのが実際のところ)追いつめられないように、自分を追い詰めないようにということにはかなり神経質にまで気を使ってはいる。しかしそういうふうに生きられないけどこの世を生きにくい人は本当に沢山いるだろうと思うし、こういう人たちの活動は重要だよなあと思う。

生きて行くのは大変なことだ、というのはまあ、今でも思っているけど、まあそれはつまり仏教でいえば生は「苦」である、ということなわけで、まあ仕方がない。四諦八正道の第一が苦諦(人生は苦であるという真理)なのだから。「いろは」の「い」だ。まあそれをなんとか楽しく生きるにはどうすればいいかということが問題なわけだ。自殺念慮者は死にたい、というけれども、それは本当は「生きるのがつらい」ということを言っているのだから、その「つらさ」をなくしたり和らげたりすることが出来ていたらどうか、と尋ねると「生きていたいに決まっているじゃないですか」、と皆答えるのだという。あたりまえのことだが、目から鱗が落ちた。

前の話に戻るが、過酷な環境のスーダンでは5歳以下乳幼児死亡率が1000人中109人だそうだが(日本は1000人中4人)、孤独死も自殺もないという。いや統計が整備されているとは思えないからゼロでもないだろうが、日本ほどでないことは容易に想像できる。肉体的に過酷なスーダンと精神的に過酷な日本と、どちらがいいかという問題ではないが、どちらも改善の余地はあるだろうしあるはずだと思う。

モーニング、今週面白かったのは『ジャイキリ』かな。『ピアノの森」もカイの精神的立て直し。レフとの会話で気合は入ったが肩の力も入っているみたい。気分転換に出かけたファイナルの初日で衝撃的な事実が…って先号の展開から読者は容易に想像できるんだけど。年末進行で次号は一週休みの22日発行、『ピアノの森』の掲載は1月6日発売の6号とのこと。

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