『ピアノの森』:全巻読了。次巻が待ち遠しい。
Posted at 09/07/24
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体調がいまいちだ。少し風邪っぽいんだろうなあとは思うんだが、理由は単純にはよくわからない。昨日は10時くらいで仕事を上がったが、帰りがけにとっていたコピーが出力される前にコピー元を返してしまったらコピー機の変調で印刷されず、頭を抱えた。
今朝は6時頃おきてモーニングページを書き、ゴミを捨てに行く。職場のゴミを捨てて、帰ってきて朝食、少し家の周りの草取りなど。
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9時に職場に出て懸案を片付ける電話をし、いくつかの店によってから山麓に行こうとするが、結局どの店もまだ開いてなくて山麓に直行した。見学したり、準備したり、話をしたりして山麓を出たのが11時。インター近くの靴屋で作業用の靴を何か買おうと思って探していたら、デッキシューズの安売りをしていて、5半はなかったから6を買った。少しぶかぶか。本屋によるが、一軒目は目当てのものなし。2軒目で、『ピアノの森』の1巻と11~15巻を買う。さらにディスカウントショップによって、プラスチックの箕と竹箒代わりの柄の長い箒、作業用手袋を買う。朝草取りをしたとき手袋をしていなかったら指先を少し切ってしまい、軍手でも買おうかと思っていたのだけど、作業用手袋もそんな大した値段ではなかったのでこれを買った。合成皮革なので軍手のように濡れて困ることもないだろうし、汚れれば洗えるだろう。結構いいかもしれないと思う。
懸案の確認に一度職場に出て、確認して家に戻り、昼食をしてから『ピアノの森』を読み始める。またいちいち感動する。ワルシャワのショパンコンクールに入ってから何巻も費やしていて、またショパンコンクールのコンテスタントがすごい内面世界を持っている人たちがたくさん出てきて、かなり面白くなってきた。今までは海と阿字野が突出した内面世界を持っていたのだけど、それに匹敵するようなプレイヤーがどんどん出てきてとても面白い。例によって審査側の大人の思惑みたいなものがいろいろと関わってきていて、そのへんも面白い。ポーランドの異色の人気ピアニスト・アダムスキと雨宮とのやりとり、名門の生まれだが異様にプレッシャーに弱く、また「自分の森」を持つレフと海とのやり取り。海を動揺させた中国のパンウェイ、アクシデントを乗り切ったフランスのオルメッソンなど多彩な才能が出てきて15巻まで一気に読みきってしまった。
それとともに雨宮の内面の闇というか、死と隣り合わせの危ない部分も見えてくる。それを雨宮自身が気づかず、アダムスキに指摘されても自覚できない。このあたりがいま一番の気にかかるところだ。ストーリー中にもまだ解決されていない伏線がいろいろ残っているし、不定期掲載になっている今となっては一体いつそれが解決するのか見当もつかないが、この壮大な大河ドラマのような、それでいて繊細きわまりない、きっと作者の生命をも食いつくしかねないようなすごいマンガは、辛抱強く次が出るのを待つしかないと思う。それでも次の16巻は8月には出るということで、それは幸せだ。たぶんそれで連載に追いつくことが出来ると思う。モーニングは去年の暮から読んでいるので。
『テレプシコーラ』第二部がローザンヌコンクールをやっているように、『ピアノの森』はショパンコンクールをやっている。この二つの作品が違うのは、『テレプシコーラ』がストーリーの中に「不幸」を織り込んでいて、才能はあるけれども弱い主人公が成長していくというストーリーなのに対し、『ピアノの森』が基本的には「不幸」が起こらないということだ。もちろん不幸は常に起こりそうになる。そうでなければストーリーにはならない。それに、海にしても阿字野にしても、設定自体が不幸のどん底とでもいうような状況なのだ。しかしピアノが、そして森が、彼らを明るい世界に連れて行く。連れ戻していく。その力が感化していくのか、周りにいる不幸に陥りそうな人びとを、正気に返し明るい世界に連れ戻していく。読んでいるこちらも、不幸に陥ることなんかないのだと思わせてくれる、本当にすごいマンガだ。
今もっとも地獄に落ちそうなのが誰よりも海に影響されている雨宮と、誰よりも阿字野に似たピアノを弾くパン・ウェイなのだが、彼らの内面の深い孤独と闇をどのように描き出していくのか、そこにどのような救いが立ち現れるのか、目撃したい。あるいは救いがないまま終わるのか。
海が、「雨宮のピアノが一番好きだ」という言葉が、胸に響く。
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