村上春樹訳・チャンドラー『さよなら、愛しい人』/夜中の蔦屋
Posted at 09/06/13
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村上春樹訳・チャンドラー『さよなら、愛しい人』読了。種明かしはなるほど、という感じ。しかし私はミステリーを読むのに向いてないな。本当のことが明らかになる、というときにあまり楽しい感じがしない。明らかにされる秘密というのが、ああそうだったのか、へええ、というくらいのことで、なんか根本的に人生を変えるような発見がある、分けではないからだ。当然なんだけど。ミステリーというものはそんなすごい人生の真実を種明かしするものではない、そこに人生のある種の哀しさのようなものがさらされたりはするけれども。
私が文章を読むときに求めているものと、ミステリーが書き表そうとするものが、やはり微妙に違うんだなと思う。チャンドラーは文体として面白いと思うけれども、そういうところがすごくいいとは思えない。たとえばホームズなら、その真実が明らかにされるときに「なるほどそうだったのか!」という知的興奮がある。ミステリーというものはおおむね(そんなに読んでいるわけではないからよくは知らないが)そういう知的興奮よりも人生の哀歓がこめられているようなものではないかという気がする。よくは知らないが。そういう微妙なものへの共感というものが私にはどうも欠けているところがある。ミステリー好きな人とどうも今ひとつ話が合わないのは、そういうところなんだなと思う。マンガでもそういう系統のものはどうもダメなんだよな。
チャンドラーの人物描写はとても巧みだと思うし、一人一人の人物像の浮かび上がり方はすごいなと思う。村上は、「最初に読んだのは高校生のときで、この話について僕の頭に残ったのは、やたら腕っ節の強い巨漢ムース(へら鹿)・マロイの姿と、マーロウが単身賭博船に乗り込んでいくシーンである。」と書いている。マロイの姿は確かに印象に残るが、ストーリーの中では最初と最後に出てくるだけで、途中に出てくるたくさんの一癖ある人物たちのどれよりもはるかに印象に残るかというとそうでもない気がする。また、賭博船に乗り込むことを試みて実際に乗り込むまでに試行錯誤する場面が延々27ページも続くのだが、正直言って私はこの場面がいちばん退屈した。さっさと乗り込めばいいのにと思ってしまう。このあたりの「面白さ」というものを理解するためにはどうすればいいのだろうかとちょっと途方に暮れる。私としてはやはり、さっさとストーリーが展開してほしいのだ。人生の哀歓の描写という点においては、ミステリー仕立てよりも、『グレート・ギャツビー』みたいな身も蓋もない描写の方が好きなんだなと思う。
でも考えてみたら、そういう割とよくあるような話の組み立てで、ここまで読ませているチャンドラーがすごいというべきかも知れない。こういう筋立てで腕のない作家が書いたら、まさに三文小説になってしまうだろう。アマチュア劇団の、そういう芝居をいくつも見たことがあるし、変な二時間ドラマなんかも死ぬほどかったるい。マンガを読んでる方が大体においてずっと面白いのだが、でもそういうかったるいドラマがこれだけ放送されるということは、そういうものが面白い人たちが世の中にはゴマンといるということで、私の感覚の方が異端ということになるんだろうなと思う。それはそれで仕方のないことなんだけど。
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昨日。10時まで仕事をし、『Giant Killing』の続きが読みたかったので蔦屋に車を走らせる。夜中に行くと店の雰囲気が全然違う。違う店のようだ。4巻と5巻を買う。結局全部読むことになりそうだ。帰ってきて夕食を取る。弟が最終で来るというので、11時30分に迎えに行った。帰ってきていろいろ話していたら遅くなり、それでも自室に戻って『Giant Killing』を読んだら、朝寝坊をしてしまった。どうも思ったより疲れている。朝食後湖畔へ。帰ってきてモーニングページを書いたり活元運動をしたり。トイレに行ったら急に腰が痛くなって困った。腰痛の手当をあれこれやって、とりあえず落ち着いたが、どうもあまり油断できない。気をつけないとと思う。
昼前に父に愉気し、いろいろやって職場へ。
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