人はなぜ目標設定に失敗するか

Posted at 09/04/15 Comment(6)»

ユダヤ人大富豪の教え 幸せな金持ちになる17の秘訣 (だいわ文庫)
本田 健
大和書房

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昨日帰郷。列車に乗る前に、丸の内の丸善で本田健『ユダヤ人大富豪の教え』『同Ⅱ』(だいわ文庫、2006)を買う。前日にコミック版をぱらぱら見ていたので知っている内容が多いのだが、確かに友人が言うように思ったよりずっと面白いしためになる。

今も読んでいて改めてうなったのは、人はなぜ目標達成に失敗するか、といえば、「すべきこと」を目標にしてしまうからだ、というくだりだ。確かに毎日六時に起きる、なんて目標はすべきことかもしれないが面白くも何ともない。目標はそれを達成したらうれしくなってしまうことにしなければならない、という指摘は全くその通りだと思った。

実は私は、目標を達成するのはそんなに苦手ではない。つまらない目標でも目標を立てたらそれを達成するように頑張れるタイプだ。しかし、そういう目標は達成しても全然充実感がない。空虚な達成感が残る。なんかつまんね―な、と思いながらでも目標は達成したんだしいいか、というような感じだ。これは受験勉強の弊害なのかもしれない。逆に言えばこういうつまらない目標設定でも達成してしまうタイプは、案外日本には多いのかもしれない。

しかし考えただけでわくわくしてしまうような目標だったら、これは達成しがいがある。自分の気持ちを伝える、という目標を持って相手に手紙を書き、相手から感謝されたらこれは本当に嬉しい。目標というのはそういう目標を立てるべきだし、そういう目標なら創意工夫も湧く。いや私の場合、つまらない目標でも結構工夫して達成してしまうのがよくないんだが。

私の場合の問題点は、「やりたいこと」でなく「できなそうだけどできそうなこと」を目標におくことなんだろうな。出来そうだってつまらないものはつまらないのだ。つまらないことに努力を続けると心が死んでくる。やりたいことに努力すれば――最近ではそういえばレコード針を探して駆けずり回ったことがあった。何件目かでようやく見つけて家に帰って交換し、レコードをかけてみてその音のすばらしかったこと。努力のしがいがあったというものだ。目標というのは、努力というのは、そういうものでなければならないんだなと思う。


"人はなぜ目標設定に失敗するか"へのコメント

CommentData » Posted by shakti at 09/04/17

>人はなぜ目標達成に失敗するか、といえば、「すべきこと」を目標にしてしまうからだ、というくだりだ。

ああ、なるほど。面白いですね。毎日朝起きて2時間英語の勉強をするなんてのは、目標じゃありませんよね。(<=実際、こういうことを実戦して国連英検の特別A級に合格したり、息子を開成に入れたりする人もいるわけですが、たぶん目標は毎朝5時おきじゃないと思います)

ところで僕は誇大妄想とイメトレはどうちがうのか考えました。すると一つの結論が誇大妄想型というのは自分を広げる方向ではなく防御する方向に精神エネルギーをつかってしまうんだとおもいつきました。おれは日大理工学に行くとか、私は明大文学部にいくとかいうプチ妄想の人たちも、自己を肥大にして満足しようとする方法論。ああでも、「医者と結婚しよう」という場化女の場合はどうなるのか? こうなると、この仮説ではダメか? たぶん、本当の意味ではイメージできないのが誇大妄想型なんでしょうね。(しかし、本当のイメージじゃないからダメなんだという理屈は今ひとつ面白くありません)。

CommentData » Posted by kous37 at 09/04/18

>shaktiさん
コメントありがとうございます。

医者と結婚しようという場化女、というのは誇大妄想なんですかね?(笑)
「私は医者と結婚するの!」と言ってるだけの人は確かに妄想だとは思いますが、それを実現するためにいわゆる婚活をエネルギッシュにやるのであれば、それは妄想でもないでしょうね。

妄想とイメトレとの違いは、結局それが行動に結びつくかどうかじゃないですか?明大文学部に行く、というプチ妄想でもそれを実現するための行動が確実に取れないから妄想であるわけですし。イメトレというのは本来、行動のためのエネルギーを高める工夫ですよね。

CommentData » Posted by shakti at 09/04/20

>妄想とイメトレとの違いは、結局それが行動に結びつくかどうかじゃないですか?明大文学部に行く、というプチ妄想でもそれを実現するための行動が確実に取れないから妄想であるわけですし。

そのとおりですね。客観的に見て妄想的であって、よい行動に結びついていれば、別に他人が「妄想!」なんて言わなくても良いわけです。しかし、多くは目標は高くて行動しない。これではダメです。プチ妄想です。(いま、中一英語からやりなおして、青学を目指す浪人生を教えている。客観的には辛いけれど、妄想という必要はないのだろう)。

あとですね、行動というときに、普通は滅茶苦茶なことをやるんじゃないのでしょうか。たとえば、500ー1000万円ほど支払ってカルト団体(トム・クルーズ系)の修行に参加した。医者とか年収のある人結婚する夢の女性だったら、プルーンを200マン円分ぐらい買った。もちろん、人生の再出発のためにヤマギシとかもあるでしょうし、競馬で一か八かの勝負するとかいろいろと有ると思います。ただ、そのくらいやらないと逆転の可能性が見えてこないかも知れないので、妄想とは言えないという解釈も成り立ちますが。。。。

CommentData » Posted by kous37 at 09/04/20

>shaktiさん
プルーン200万円分
(笑)
これはあまりにも合理性を欠いているのでさすがに妄想かと思います。競馬も才能がある人はあるから必ずしもそれ自体で妄想とは言い切れないけれども普通は無茶ですね。カルトやヤマギシ会にしても、その人なりの筋道が納得いく場合であったら向こうがあんまり反社会的な団体でない限り絶対的に否定すべきものでもないと思います。

そういう意味ではその行動を「妄想」と判断するこちら側の「常識」の許容能力に関わってくる部分もあります。しかし、受験とかこちらがわに圧倒的に「専門的知識」(そういうと大袈裟な表現になりますが)がある場合には、まあ大体その判断には妥当性があることになるでしょう。わからないことは判断できませんからね。

CommentData » Posted by shakti at 09/04/20

>カルト

あれは結局金の問題だと思います。全財産をなげうつとか、1000万円払うとか。(ミキの製品200万円とかは、安いものです)。

昔カルトのことについて知人と議論したものです。彼はスゴク恐れていましたが、そんなに恐れる必要はないのだと僕は思いました。狂ったりはしない。ただ、目覚めて元の世界に戻ろうとしたとき、お金が大量に減っていることに気づくくらいのものではないでしょうか。

CommentData » Posted by kous37 at 09/04/20

>お金が大量に減っていることに気づくくらいのものではないでしょうか

金もそうですが、時間もあるんじゃないですかね。1年やそこらで済めばいいですが、一生を棒に振る人は少なからずいるのではないかと。あとは家族とかの問題ですね。本人はまだいいけれども。あとオウムなんかだったら私の知り合いにも亡くなってしまった人がいますし、そうでなくても洗脳の過程で変なトラウマが出来てしまうような気がします。まあそのあたり、個人差がかなりあるとは思います。

個人の責任で入っていってしまう人はまあ仕方ないと思うのですが、そういう人の子どもとかもいろいろな意味で大変だと思います。自分個人としてこうだ、ということと一般論としてどう対処すべきかということ、またその人がどういう姿勢でそれに加わろうとしているのか、ということなども含めて、対処の仕方はケースバイケースになるしかないだろうなと思います。いずれにしても、恐れ過ぎるのはよくないでしょうね。

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