『橋本治と内田樹』/発見づいてる日

Posted at 08/12/08

昨日は夜中に更新したのだが、今朝はまた10時現在に更新を試みる。

橋本治と内田樹
橋本 治,内田 樹
筑摩書房

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『橋本治と内田樹』(筑摩書房、2008)が面白い。この対談本は内田樹のサイトで見つけて興味があったのだが、昨日新宿のブックファーストで立ち読みしてこれは面白いと思い、結局紀伊国屋で買ったのだった。橋本治は文学界においては基本的にアウトサイダーなのであんまり売れないうちになくなってしまうのではないかと思って早めに入手したのだが、amazonの順位で見ると「評論・文学研究」で1位になっており、別に急ぐことはなかったなと後で思った。

私は20代後半のころはわりあい熱心な橋本治の読者だった。といっても代表作とされる『桃尻娘』や『窯変源氏物語』を読んでいないので本当は熱心とは言い得ないのだが、短篇集である『愛の矢車草』とか、エッセイ的な文章などはかなり好んで読んでいた。

最近もいろいろなところで橋本の対談を読む機会はあったのだが、どうも橋本の面白さがそんなに引き出されていない感じがして、買ってまで読もうという気にはならなかった。しかしこの対談集は本質的な橋本の魅力に迫っている部分があり、大変面白い。内田樹という人は必ずしも好きな作家ではないのだが、「橋本治へのインタビュアー」としては実に卓越している。これは同時代に生きた人ならではのアプローチが橋本に関しては非常に有効なためだと思う。橋本は私より14歳上、内田は12歳上で二人ともおおむね団塊の、全共闘世代だ。二人ともややその臭があるのだが、内田のほうがより強い。この二人が「空気としての戦後民主主義」を自覚的に表現しているところは面白いと思う。

橋本は本当に根っから小説家というか、フィクションの創造者で、そういう人ならではの語りというものが本当に面白いし、内田はそういう橋本の熱心な読者として、「ツボ」をよく心得ていて、面白いものを次々に引き出してくれる。いま140/334ページだが、いっぺんに読んでしまうのはもったいないと感じる本。

***

今朝はなんだかんだといろいろと発見が多い日で、というか昨日、本当に素晴らしいものを知っていればお金などの相対的な基準には惑わされない(にくい)、ということに気がついたことが最大なのだけど、それ以来発見が相次いでいる。

生命保険の支払い証書をしばらく前から探していて、発行者から届いていないと思い込んでいたのが引き出しを整理してみたら出てきたり、しばらく前から見ていなかったサイトをのぞいたら行こうと思っていた国立新美術館のピカソ展が今週末までだということに気がついたり、忙しくて読みかけになっていた本の中で面白そうなものを何冊も発見したり、何だかとても発見が多くて嬉しい。引き出しの整理のついでに来年の手帳を見つけて、この際もう来年のを使うことにした。大江光のCDを聞きたくなって探したが見つからなかったのだけど、ステレオの隣においてあった小さなCDラックをかなり久しぶりに発見して、その中に見つけた。他にも最近聞いてなかったCDが何枚もそこにあった。

大江光の音楽
海老彰子,小泉浩
コロムビアミュージックエンタテインメント

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ジェシー・ノーマンなんかも久しぶりに聞いた。

黒人霊歌集
パターソン(ウィリス),マッカーシー(ジョン),ボールドウィン(ダルトン)
ユニバーサル ミュージック クラシック

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