シャネル伝説/イギリスにおけるビーバーの絶滅

Posted at 08/11/26

昨日帰郷。今日は松本に操法を受けにいく。帰ってきてしばらくして急激に腹が下り数回トイレへ。ここのところ便通があまりよくなかった感じなので、それが一気に解決したようだ。ここまで集積していたとは思わなかったが。

電車の中では『スーパージャンプ』を読んだ。これはかなり面白く、生き返りとも十分時間を潰せた。『リングにかけろ2』は最終回だったのだが、いまいち何を言いたいのかがよくわからないラスト。まあでもこのマンガは基本的にこういうものではあるなあとは思うが。

20世紀ファッションの文化史―時代をつくった10人
成実 弘至
河出書房新社

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成実弘至『20世紀のファッション文化史』(河出書房新社、2007)。「時代を作った10人」という副題だが、ウォルト、ポワレ、シャネルと3人分読了した。最初、チャールズ/ワーストか書いてあって誰のことかよく分らなかったのだが、シャルル・ウォルトのことだった。イギリス出身だからと言って英語読みで書かれるとちょっとぴんと来なくてこまる。

この本は、ファッションの技術的な側面よりも、社会的・文化的な分析のほうに少し傾きすぎな気がする。またその見方も、ややステロタイプな見方ではないかという気がする。それが分析の刃として、特にシャネルについてはへえと思う分析もあった、つまり伝説に彩られすぎているシャネルをどう掛け値なしに見るかということについてはへえと思うところもあった。このへん、批判しすぎてもつまらないし、伝説の受け売りでも意味がないから、その見せ方に工夫のいるところだと思う。ベストとはいえないが、健闘はしている、という感じ。

ウォルトはオートクチュールの元祖、ポワレはモダニスムに移行する前の過渡期のアールヌーヴォー的・ベルエポック的な衣装という感じ。シャネルは「シャネルと署名してあるフォード」と言われたくらい、つまりはモダニスムの権化と言っていい。彼女はバレエ・リュスの舞台、「ル・トラン・ブルー(青列車)」の衣裳を担当しているが、他の本で読んだときにはすごく魅力的に思えたのだけど、この本では「現実的な衣裳をデザイン」していて、「舞台は成功とはいいがたいものだった」と切り捨てている。シャネルは女性のファッションは女性にしか作れないという信念を持っていて、「逆にいえば、シャネルは身にまとうものとしての服にしか興味はなかったし、スペクタクルなファッションを作る才能にはさしてめぐまれていなかったということでもある。」と分析している。そういわれればそうかもしれないと思わないでもない。

50年代にシャネルが復活したのも、戦後一世を風靡したクリスチャン・ディオールをアンシャンレジームと感じ、戦いを再開する、という動機だったらしい。それで発表されたのがいわゆるシャネル・スーツだが、これはヨーロッパでは不評で、アメリカで受け入れられたのだという。私もこのタイプのスーツは好きで、これが似合う女性はいいなあと思っていたから、私の趣味もアメリカ人に近いのかなという気がする。

まあこういうストーリーの組み立ても悪くないかなとは思う。現在96/302ページ。

***

ネットで見つけて面白いと思ったこと。

スペースシャトルエンデバーの宇宙飛行士のミスで宇宙空間を漂っている工具袋が地上から双眼鏡で見ることができる、という話。こういう話はアメリカ人が好きそうだが、私も面白いなと思う。大気圏に突入したら燃え尽きてしまうだろうけれども。

イギリスでは400年前に野生のビーバーは絶滅してしまったのだそうだ。で、現在、400年ぶりのビーバーの野生繁殖プロジェクトが進行しているのだそうだ。この記事に注目したのは、実は「ナルニア国物語」シリーズの中で、ナルニアにおけるビーバーの絶滅についてかかれたくだりがあったからだ。ペベンシー家の4人兄弟が最初に面倒を見てもらうのがビーバーの夫婦なのだが、それから数百年たったカスピアン王子の時代にはビーバーは絶滅している。それはその間にテルマール人によるナルニア征服があったからだ。このテルマール人の征服というのはイングランド史の、ノルマン人による征服がなぞらえられている。いろいろ出てくる「ナルニア史」の史実は、イギリスの歴史から引っ張り出されてきたエピソードが多いのだ。ビーバーの絶滅というのもなぜか印象に残っていたのだが出典がよく分らなかったのだけど、実際に17世紀に絶滅していたのだということを知って、これもイギリス史がその出典だということがわかったという次第。多分イギリス人だったら誰でもぴんとくるようなエピソードが中心なので、きっとイギリス人ならイギリスのビーバーは絶滅してしまっているということはみんな知ってることなんだろうなあと思ったのだった。いや、それだけのことなんだけど、こういう話が面白いのだ。

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by Luke Peterson

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