フェリーニもベジャールもいない世界
Posted at 08/02/27
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昨日帰郷。時間のあるときは、ベジャールの自伝を読んでいる。
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この本は私にとっては大変面白い。軽い風邪を引いて寝込んでいるベジャールが、好き勝手なエッセイを書いているという感じなのだ。まだ100ページ(本文354ページ)のところだが、ベジャールの空想の膨らんでいき方とか、友人・隣人たちとの交流などが興味深い。好きな映画をずらずら並べているところがあるのだが、やはり世代が違うので見たことのある映画はほとんどない。フェリーニの全作品が好きだ、というあたりにきてようやく接点を見つける。しかしフェリーニが好きということは好きな映画の傾向が分るわけで、ベジャールが賞賛している映画を機会があれば見てみるとよいかもしれないと思った。
友人や隣人との交流。ヌレエフやシルヴィ・ギエムらバレエ関係者との交流は当然だけど、彼らとのエピソードも面白い。オペラ座でヌレエフと対立したいきさつ、ベジャールが許可しなかった彼の振付の踊りをギエムが踊って見せてベジャールを納得させてしまったエピソードなど、現場の臨場感に溢れている。
ゴダールやフェリーニとのやり取りもとても面白い。というか、私にとって彼らは全く偶像(アイドル)なので、彼らがじかに出会って会話を交わしている情景を思い浮かべるだけでポワンとしてくる。ものすごく平凡な会話をしているだけだとしても、その会話がカッコよく見えてくる気がする。フェリーニの、「私はあり得そうなことには興味を失う一方だ」という言葉には強く共感する。「本当に存在するものについて語るにはどうすればいいのか。私は創作をしている方が性に会うんです。」これもカッコいい。われわれはフェリーニもベジャールもいない世界に生きているんだなあと改めて思う。
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