東京西部の変化/40代の主人公
Posted at 08/01/28
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自由な人とは、自分の好きなことをしている人だ。そして自分の好きなことをしている人とは、自分を信じている人だ。
と思った。
前半は、自分で思ったこと。後半は、昨日の深夜、上田桃子を取り上げた番組を見ながら思ったこと。
***
昨日はどこかに出かけようと思い、日本橋に出る。丸善の地下で原稿用紙を買い、上島珈琲で黒糖ミルク。次にどこに行こうかと考えて久しぶりに神保町に出かける。なんとなく何かあるかなと思いながら書泉ブックマートの3階に上り、おがきちか『エビアンワンダー』の1、2巻を見つけて購入。特に当てがあったわけではないけど、考えてみればここにくればマンガは一番見つかる可能性が高い。なんかそういうことを忘れているということ自体が変だけど。
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このマンガ、最初はリアクトの方(連載されていた雑誌が休刊になり、掲載誌をかえて連載されたもの)から読んでしまったので後半とオチから読んだことになるが、前半は物語の枠組と「前任者」エレクトラとの関係が主に書かれている。後半が「弟」ハウリィと道連れの僧侶フェイ・イとの関係が主。『ランドリオール』と違って割合閉じられた世界の話なので4巻、というのがちょうどいい長さなんだなと思った。もともと青年誌の連載だったので、女性の裸的なものがランドリオールに比べるとかなり多いけれども、世界が根本的に異なるわけではない。
駅に下りてから世田谷美術館に出かけることにする。用賀で降りて案内に従って歩いたが、散歩道が整備されているのは悪いことではないんだろうが、どうも基本的に悪趣味で気持ち悪い。砧公園に出たが、ここの感じも木場公園のほうがいいなあ。なんだか東京西部って、わたしの20代のころに比べてかなり劣化してるんじゃないかという気がした。
考えないで行ったのだが、世田谷美術館ではパラオにかかわりのある土方久功と中島敦を取り上げた展覧会。

入り口に日本とパラオの国旗。パラオは戦前は日本の委任統治領の旧南洋諸島の中心。国旗は日の丸によく似たデザインで、青い海に黄色い月。
展覧会はどうもなんとなく熱量が少ない感じ。というか、世田谷美術館といえば私がよく来たころは現代アートの一つの中心という意気込みがあったのだけど、昨日の感じは単なる自治体の美術館のひとつという感じになってしまっていて、なんか唖然としてしまった。土方久功の作品はそれなりに面白かったけど、どうも何というかスタンスの尖り具合みたいなものがなく、どうも調子が狂った。自分の中である種の聖域が違うものに変わってしまっていたという感じ。勝手に思っていた印象と違うからと言ってどうこう言っても仕方ないんだけど。
原美術館が期待以上だったから、なんとなく世田谷美術館にも期待してしまったのだけど、アートシーンに触れていないとそういうことってすぐわからなくなってしまうんだなと思った。田園都市線から半蔵門線直通で三越前まで行き、三越の地下で中華の弁当を買い、地元の団地の中の伊勢屋でおはぎと吹雪を買って帰宅。
家では土曜日の夜に買った山岸涼子『ヴィリ』を読む。
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『テレプシコーラ』は読んでいないのだけど、今ダヴィンチで第二部が連載されていて、それは読んでいて面白い。『ヴィリ』はジゼルに出てくる精霊の名。40を過ぎてもまだバレエ団のトップで踊り続ける女性とその娘、IT企業の社長という組み合わせ。今気が付いたが、絵の性質も話の内容もある意味近藤ようこに似ている。メジャー度も和風洋風の違いもあるので今まで比較したこともなかったが、女性の自意識のモノローグが中心になるネーム構成と細い線、余白に書き込まない絵柄という作風はよく似ている。
40代のバレリーナ、という私はあまり読んだことのない主人公の設定も興味が引かれる。自分でストーリーを書いていると思うが、若い子を主人公にするのはわりあいやりやすいけれども、年配者を主人公にすると必要以上に重くなったりしていろいろ展開が難しい。それだけ年を取るにつれて多くのものを背負ってくるからで、まあそこにそういう年代の人を主人公にする意味もまたあるのだけど、わたしが書くとどうも暗く重くなってしまうので、それをそうしないで(いや暗く重い話なんだけどやりきれなさはない)描けるのはある意味マンガの強みなのかな。いや、近藤ようこなんかマンガでも重く暗いんだけどそれでも読ませるわけで、でもそこには強さがあるから作品になるんだよな。年を取った人を主人公にして書くのはギリギリでいろいろなことを試される部分が多いということなんだなと思う。
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