『臨死!江古田ちゃん』(続き)

Posted at 07/05/15

新しいジャンルのものを読むと自分の中でそれを吸収しようと気がつかないうちにフル回転で似たものを見つけようとする。

『臨死!江古田ちゃん』は最初はわけが分からなかったがだんだん読み方が分かってきた。これは一種のネタなのだ。「猛禽」という定義は癖があるが、つまりは「弱さをひけらかすタイプの人間への反発」だ。「弱さをひけらかす強さ」に弱い男を餌食にする猛禽類。相当屈折しているので自分的にはコードの書き換えがかなり必要だが、多重翻訳によりようやく理解出来た。それにしても女の人は弱さとか強さとかには敏感だ。

臨死!! 江古田ちゃん 1

講談社

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臨死!!江古田ちゃん 2 (2)

講談社

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一方で本物の弱者に対しては同情がかなり深い。そこまでストレートでいいのかと思うくらいだが、他の部分が屈折しまくりなのでうまくはまるんだろう。実は相当浪花節だ。

「弱さを見せられない女」というのは女性の作品の一つの巨大なテーマだ。よく考えてみると自分の好きなタイプの女性作家というのはそういう人ばっかりなんだが。

しかしこの作品にいちばん近いのは実は業田良家『自虐の詩』なのではないかと密かに思った。

自虐の詩 (上)

竹書房

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自虐の詩 (下)

竹書房

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