マニア・コンプレックスとイノベータという生きる姿勢

Posted at 07/04/10

昨日。昨日はちょっと曇りがちの一日で、寒かった。夜には雨が降ってきて、傘を持たずに外出した私はハンカチを頭の上に乗せて駅から家まで走って帰ったが、だいぶ濡れた。考えてみたら銀座にいたときに降って来たのだからその辺で傘を買えばよかったのだが、(先週折り畳み傘もなくしていたし)通り雨だと思い込んでいて傘を買うという発想がまるっきりなかった。変なものだなと思う。

午前中は作業したり友人と電話で話したり。午後から出るつもりだったのだけどなんとなく作業をやったり本を読んで知らない間に寝てしまったりしていたので例によって出るのが遅くなった。

家で読んでいた本は森行生『ヒット商品を最初に買う人たち』。昨日も書いたが、この本は面白い。お勧めだ。マーケティングの考え方がイノベータ理論に基づいて説明されている。


ヒット商品を最初に買う人たち

ソフトバンク クリエイティブ

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この本を読んでいちばん収穫だと思ったのは、マーケティングというものが面白いと思ったこともあるが、「イノベータ」という心的傾向、生きる姿勢というか態度の傾向の問題だ。イノベータというのは革新者、つまり消費者としての姿勢で言えば自ら新しい商品を見つけ出して使いこなしていこうとするタイプ。それに「アーリーアダプタ」、人の面白いものを見て人に自慢するために買うタイプ、みなが買ってから安心して買う「フォロワー」と三つのタイプに消費者を分けて分析していて、なるほどと思う。イノベータは商品について多くの情報を集め、自分の商品選択眼に自信を持っていて、人に左右されずに新しいものを買う。アーリーアダプタはイノベータが面白いものを使っていたらそれがいけるかどうか判断し、すかさず買う。そのようにしてブームが起こると、周りから影響されて買うのが一般のフォロワー、という話だ。

イノベータは新しい商品の「規格」に反応し、アーリーアダプタは商品の利点(ベネフィット)に反応し、フォロワーは商品の「イメージ」に反応する、というのもおお、なるほど、という感じだ。広告にも当然いろいろな種類があって、「規格」(といってもデザインだとか材質だとか多岐にわたるが)を訴える広告もあるし、利点を訴えるものもある。イメージを訴えるものがいちばん目に付くが、それはフォロワー向けということなのだな。

この中でいちばん消費者としてクリエイティブなのはイノベータだし、そのクリエイティブな面は新しいものを作り出す側のクリエイティビティと互換性があるように思う。

私としては、消費者としてということもあるけれども、いろいろな面でイノベータであることを目指したい、目指すべきだという印象を強く受けたのだ。

私はどちらかというと今まで「マニア崇拝」というか、マニアのようにひとつのことに集中して面白がれるひとが偉いと思ってきた、というか、自分はそうではないことはよくわかっているので、いわば「マニア・コンプレックス」のようなものがあった気がする。しかし、「イノベータ」というものの存在とその意味が分かってくると何もマニアであることを目指す必要はないんだなと思ってずいぶん気は楽になった。学問とかやってると、どうしてもマニア性がないと出来ないので、そういうコンプレックスがずいぶん染み付いたのだなと思う。

そういう意味で自分にはプラスになった本だったが、それだけではなく本として十分面白い。

夕方出かける。今日は銀座に行こう、というのと森行生の本を買おう、というのがあったので銀座で降りて教文館の側に出る。三越を見ると「北欧の家具展」の大垂れ幕が目に入ったのでちょっと見に行こうと8階催事場にエスカレータで上っていったらもう解体中だった。まあもう遅いからしょうがないなと思ったが、立ったら垂れ幕も片付けておいてくれよ三越さん、と思ったよ全く。

仕方ないから下に下りて教文館で本を物色。結局目当てのものは見つからず。見つかったら教文館カフェに行くつもりだったのだが。おなかが空いてきたので何を食べようかと考え、利休庵でそばでも手繰るかと思って行ってみたら、何と三月末で閉店していた。あちゃー!銀座で行く店がひとつ減った。困っちゃうなあ。

仕方ないから阪急の地下の定食屋にでも行こうかと思ってまず旭屋書店で本を物色。やっぱりない。地下に降りていって見たら目当ての定食屋もあったがまわりに何だか中途半端な定食屋が増えていてなんとなく興ざめ。以前はショットバーだったところも定食屋になっていて、残念。ぐるぐる回って結局トンカツ屋でおろしロース定食を食べる。でも久しぶりに食べるとこういうものは本当に旨いな。

しょうがないから丸の内の丸善に行こうと数寄屋橋の交差点あたりを歩いていたら急に雨が降り出した。道行く人もダッシュしたり雨宿りしたりしている。私も有楽町駅までダッシュして電車に乗った。降ってなかったら歩いたのだけど。東京駅で降りて丸善に行き、一度探したが見つからないので検索機で調べなおし、もう一度探しても見つからないので本棚の下のストックの引き出しを開けたら一冊だけあった。よかった。ついでにほかの本を物色して『ファイナンシャルジャパン』の立ち読みなどしたが、そのことについては昨日の夜の日記に書いたのでパス。買ったのは森行生『改訂版 シンプル・マーケティング』(ソフトバンククリエイティブ、2006)。


改訂 シンプルマーケティング

ソフトバンククリエイティブ

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一階のタント・マリーの喫茶コーナーでレアチーズケーキとコーヒーを注文して『シンプル・マーケティング』を読み始める。『ヒット商品を…』に書かれていることがもっと理論的に説明されているという感じ。エッセンスは『ヒット商品を…』の方が分かりやすいが、こちらの方が全体として勉強にはなりそうだ。読みかけ。

最初に書いたように、雨に濡れて帰宅。そのあとずっとウェブ作業。気がついたら耳鳴りがしている。根を詰めすぎたか。1時過ぎ就寝。

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