愛すべきもの/プロフェッショナル

Posted at 07/03/16

昨日。朝食後、職場に向かってあるいていたら友人が家の前でカメラを構えているのに出くわし、見ていたらつまり子どもが幼稚園の卒園式でお母さんとの記念撮影をしているところだった。朝からめでたいものをみた感じだった。

午前中は職場で作業。相変わらずネットの接続スピードの遅さは気になる。やるべきことは進める。しかし寒い。3月半ばになってからの冷え込みは身体にこたえるなあ。

とりあえずやろうと思っていた作業は進められたが、その先のビジョンを立てたりすることが寒いとなかなかうまく行かない。こういう時にはとりあえず読みかけの本を読み進めておこう、と思い(今考えるとその選択肢って正しいのかと思うが)家に戻ってチャンドラー・村上春樹訳『ロング・グッドバイ』を読み進める。まあしかし、行き詰まったときに同じところで頑張ってみてもいいプランが出てこないということは事実だが。



ロング・グッドバイ
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現在330ページ。昨日の日記を見たら220ページまで読んだと書いてあったから、それから110ページ読んだことになる。バー「ヴィクターズ」でギムレットを飲む描写がいい。この百ページあまりで主な登場人物がようやくすべて顔を出したという感じだ。いろいろな伏線がすでにかなり解決されてきている部分があって、かなり感心させられている。そういうのが全然わざとらしくないのがすごい。私立探偵マーロウに日常のつまらないいざこざを持ち込んでくる小市民、横暴で暴力的で出世欲の強い警察や司法関係者、裏社会の住人たち、ただれた上流階級、まあそんなふうに書いてくると全く「いかにも」なのだが、それを読ませてしまうところが改めてすごいなあと思う。つまりは描写がていねいなのだろう。もちろん科白が気が利いていてそれでいて苦味があり、また設定された情景も徹底的にゴージャスな美女の裸体から精神状態の危うい人びと、埃っぽい南カリフォルニアの田舎道、といった言わば天国から地獄までを往復するマーロウの地獄めぐり、とでも言った方がいいような展開だ。

読んでいるうちに、この作品は全く「愛すべきもの」だという気がしてきた。それは、そういう展開の中のあちこちに笑う場所がいくつも収められていて、それがどれもこれもかっこいい、からかもしれない。緊迫した場面の笑いがその場を崩すのではなく、より緊迫感を高めたり。うーん、やはりあまり普段読まない種類の本だから上手く説明できない。しかしほんとうに「愛すべき」本だ、と思う。午後から夜にかけて仕事。あまり忙しくなく。ウェブ関係も少しいじる。

夜は『プロフェッショナル』を見る。指揮者大野和士と漫画家浦沢直樹。浦沢の作品は実はあまり読んでいないのだが、とても映画的なんだなと思った。映画といってもハリウッドとかの方、だろう。大野のザグレブでのユーゴ内戦中の指揮の経験談はものすごい。オシムとはまた違った戦争体験だ。指揮者がたくさんの音を聞き分けるのは、全体の雰囲気をつかんで細部の違和感が感じられるからだ、という話はなるほどとは思うが芸大の入試で八重奏を書き取らせるという話は超絶ではある。浦沢の話では物語のデザインの仕方(といえばいいのか)が面白かった。最初に思い描いた画面が連載8年目でやっと出てくるとか。すごい根気と集中力だ。やはりこういう世界には驚嘆する話がごろごろしているんだなと思う。

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by Luke Peterson

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