佐伯チズの本を読む/「あなたの人生にデザインがないからです」

Posted at 07/01/08

昨日は朝は晴れていたのに昼から曇ったりして、荒れ気味の天気が続いていたのだが、今日は晴れが続いてちょっと落ち着いてきた感じはある。

どうも忙しくて何だか自分のやっていることのポイントがぼけてしまっている感じがあるのだが、昨日は午後に出かけて丸の内の丸善で本を物色した。いくつか見たのだがこれは、というものがなく、何だか甘いものが食べたいなあと漠然と考えながら東京駅の自由通路を八重洲方面に歩く。何の気なしに大丸に入るとバーゲン。そうか少し見ようかなあと紳士服の階などをみて回る。先立つものがなく、とりあえずは見てるだけなのだが。

これが欲しい、という劇的な要求も起こらず。甘いものを食べたいなあと思い館内の喫茶店をいくつかのぞくがどうも食指が動かず。エスカレーターで下に行く途中に2階の化粧品コーナーを通り、そうか、そういえば佐伯チズの本を何か読んでみようと思っていたんだなあということを思い出し、6階の三省堂に逆戻り。何冊か本が並んでいたが、原点は一番最初に出した本だろうと思い、佐伯チズ『佐伯チズの頼るな化粧品!』(講談社、2003)を買う。まあこういう本は何だか買うのが恥ずかしいが。

佐伯チズの頼るな化粧品!―顔を洗うのをおやめなさい!

講談社

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まだ甘いものが食べたくて少しうろつくが、外で探そうと思い八重洲ブックセンターの方に渡る。そういえばどうだろうと思って中二階に上がると案外空いていたので腰を下ろし、コーヒーにスコーンを注文。バタークリームやブルーベリーのジャムをつけてスコーンを食べながらコーヒーを飲み、佐伯チズを読む。

これが面白い。どんどん読んでしまう。化粧品というものは私などから見たら遠い世界だが、実に論理的に組み立てられた奥の深い世界なのだということを知る。私など顔に化学薬品をつけるということ自体にどうなの、という感じを持ってしまう方だが、化粧水や美容液、クリームなどのそれぞれの役回りや、クレンジングをしたら洗顔は必要ないという主張、美容におけるメンタル面や食事の重要性、皺のできる原因など、なるほどなあと思うことがいろいろ書いてある。頷いたり、驚いたりしてブックセンターの中で三省堂のカバーをした本を読み耽ってしまった。

満足してもう少しブックセンターを見ようと思い、8階のアート書籍売り場へ。アート書籍の売り場では私はここがかなり気に入っている。種類も多いし、何だか個性的なものが置いてある気がする。担当者がかなり見識のある人なのかもしれないと思う。

ここで買ったのが南雲治嘉『100の悩みに100のデザイン 自分を変える「解決法」』(光文社新書、2006)。光文社新書はよく見るが、この本を見るのははじめての気がする。いきなり「デザインの本質は『問題を解決すること』です」と書かれていて驚く。「決心が続かないのは、あなたの意志が弱いからではなく、あなたの人生にデザインがないからなのです。デザインさえあれば、ズボラ人間からキッパリ人間に変身することが出来ます。」と書かれていてのけぞる。思わず「デザインて何かね?」といいたくなるが、どうも面白そうだと思い購入した。

100の悩みに100のデザイン 自分を変える「解決法」

光文社

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京橋日本橋の街を歩き、丸善の日本橋店を冷やかして通りを北上すると、建設中の新しい丸善のビルの地下鉄の入り口が開いていたのでそこから地下に降りる。改札口のところで「DVD自動レンタル機」なるものを見つけて驚く。アスタラビスタというのだそうだ。会員登録もいらず、クレジットカードを通すだけで『海猿』だの『日本以外全部沈没』だの『はちみつとクローバー』だのが借りられるというわけだ。レンタル料は新作24時間350円、一般作150円で、まあまあか。登録料が要らないからむしろ安いかもしれない。延滞が12時間150円というのがきついかな。自動レンタル、自動返却で、人を通さないから借りるのも恥ずかしくない。リストを見た限りでは良い子が借りたらいけないものはないようだったが。借りっぱなしにしたらどうなるのかなと思ったが、よく考えてみたらクレジットカードを通しているのだから、向こうは絶対とりっぱぐれがないのだ!よく考えたものだと思う。油断したら延滞料がどれだけになるか恐ろしいが。なるほど考えた商売だと思う。

地元に戻り、安売り店で米を買い、5キロを担いで帰る。その後もいろいろやり、夜は有り合わせで済ませる。

佐伯チズを読み続ける。この本が面白いのは、私自身が演劇をやっていた経験があって、舞台メイクではあるがメイクの基本的なことをある程度理解しているから、ということもあるなあと思った。もちろん大雑把な知識ではあるが、どういうことがどういう意味を持つかということはある程度は分かるし、肌を美しく保ということの意味などもなるほどと思う。化粧品には物語がある、というのも頷けるものがあった。物語のロマンを感じることが、人間にはとても意味のあることだし、そういう領域は局面的にはかなりずれるが、男にも女にもあることだ。どこかで読んだことだが、一面のバラの畑から収穫された花がたった一本の瓶の香水になる、という贅沢感は、女性的なロマンチシズムだなと思った。いろいろな占いが隆盛するのもある意味そういうロマンチシズムと関係があるわけで、男の中にはそういう占いを頭から馬鹿にする人も多いが、信じる信じないというよりそういうロマンチシズムに意味があるのだということを理解しないとあまり有効な批判ではない。男のロマンチシズムとはやはり異質なものだから、なかなか理解しにくいものなんだろうとは思うけれども。

ああだこうだやっているうちにまた昨日も夜更かししてしまった。切りがない。


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