何度読み返しても涙/「マンガを描く手」/フセイン処刑:金正日は?/年賀状を書くということ/よいお年を

Posted at 06/12/31

昨日。午前中はあまり動けず、昼食を取る。昼から街に出、いくつか支払いを済ませ、年賀状を買い、神保町に出かける。新御茶ノ水で降りて書泉ブックマートへ。みなもと太郎『風雲児たち 幕末編』10巻(リイド社、2007)と業田良家『男の操』下(小学館、2007)を買う。神保町を散策。年末のせいか、閉めている店も多かった。半蔵門線に乗って三越前に出、コレドの地下で買い物。置いてある品も普段と少し変わっていて、年の瀬を感じさせる。食料品を買い込んで帰る。

南砂町で外に出ると、空が青い。散歩のような気持ちで帰る。うちに帰ってしばらくネットを見たり。マンガを読んだり。

『風雲児たち』は1856年(安政三年)の動向。一度『コミック乱』で読んでいるものだが、やはりまとめて読み返して見ると重みがある。安政大地震、長崎海軍伝習所、講武所設置、松下村塾の始まり、下田の米領事館設置など大きな出来事はたくさんあるのだが、幕末の風雲の時代に比べれば全く嵐の前の静けさである。しかしこのマンガ、幕末の一年を描くのに一年以上かかる(笑)ところがスゴイな。『アストロ球団』並みだ。(って分かる人どのくらいいるか)

風雲児たち 幕末編 (10)

リイド社

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アストロ球団 (第1巻)

太田出版

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業田良家『男の操』。これも『ビックコミック』で連載されていたのを一度読んでいるのだが、泣けた泣けた。『自虐の詩』もそうだったが、あるところから突然ストーリーが緊迫してくる。そこからはもう涙涙。……ヤバイ。もう一度読み返したらまた泣けてきた。

男の操 下 (2)

小学館

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北朝鮮核実験発表時の、政府専用機内での緊急会議。スタッフはみんな若いなあ。何だか科学特捜隊の緊急出動の場面を連想した。空飛ぶ官邸、そのもの。

夜テレビを気分転換に見ていたとき、放送大学にこうの史代が出ていた。こうのは『わしズム』に写真が掲載されていたのを見ただけだが、とても気難しい和装のおばさんという感じだったのだけど、画面で見るともっと気さくな感じで、マンガ少女がそのまま年を取った和装の人、という感じだった。ちゃぶ台に座って着物を着て正座で作品を書いているのがすごい。幸田文がマンガを描いているという感じともいえる。(?)まあでも軽妙な部分もあるこうの作品の秘密が少し分かった気がした。こうのさんにとってマンガとは何か、というありきたりの質問に、マンガは私の一部、というより私がマンガを描く手を持った人間、ていう感じなんですよ、というようなことを言っていて、何だかすごく分かる気がした。

夕凪の街桜の国

双葉社

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「サッダーム処刑」  大野元裕氏、緊急寄稿(gooニュース) goo ニュース

昨日の最大のニュースといえばフセイン処刑。ちょっとどうなの。ここまでやるとあとはどうなるか分からないという感じだ。アメリカは、少しイスラム世界というものをなめているんじゃないかという気がする。昨日今日は重大ニュース物をやっていて偽メール問題などそういえばあれ今年だったっけというようなものも出てきて月日の流れの速さを感じるが、六カ国協議や拉致問題に関しての議論で金正日のこともよく取り上げられていた。ニュースでフセインのことを、「独裁者として生き、犯罪者として死んだ」とか言っていたが、アメリカ人ならともかく日本人がそういうことを言うのは何か少し筋が違う気がする。やはり裁判の過程が極東軍事裁判という暗黒裁判を思い出させるからだろう。

しかしたとえば、金正日を法廷に引きずり出すことが可能だろうかと考える。中国やロシアがかばうからそうはならないだろうなあと常識的には考えるし、体制が崩壊するのは結局は金正日が死ぬときか亡命するときしかないだろうとも思う。金正日はフセイン以上に日本では「とんでもない犯罪者」としか認識されていないが、犯罪者相手に振り回されていると思うから六カ国協議が評判がよくないということなんだろう。

しかしアメリカがフセインと違い金正日に手を出さないのは、背後にロシアと中国がいて、何とかに刃物ではないがミサイルや核を持っているからだろう。核を持っていなかったフセインの末路を見て、金正日が核を放棄することは絶対にありえないと確信は深まるばかりだが、金正日はよくクレバーだといわれるけれども、要するにそういうもろもろの「アメリカが理解可能な論理」を振り回してアメリカを牽制するのが上手だと言うことなのだと思う。イスラム世界の論理はやはりアメリカにアッピールしにくい部分があるのではないか。それは日米戦争前後の日本の論理がアメリカ等に理解しにくかったのと多分似ている部分がある。日本はアメリカに一敗地に塗れ、後従順になってしまったが、イスラム世界はそうは行かないだろう。

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夕方からようやく年賀状を書き始める。今年は無謀にも表書き裏書きとも毛筆。55円のはがき(3円寄付金、2円経費)に福寿草の柄が印刷されているのでそれで許してもらって、下手な字を一生懸命書く。最初はもうまるっきりだめだったが、それでもだんだん少しは見られる(下手なことには変わらないが)字になってきた。やはり普段筆を使っている人はもっとうまいだろうになあと思う。筆先を軽く使う指や手や腕の力の入れ方が最初は全然わからないのだが、数十枚書いているうちに少しは分かってくる。それまでの数十枚のあて先は…うーん、以下略。

それでも一枚一枚、去年の年賀状を見ながら、その人のことを思い浮かべて字を書くのはなかなかいいものだ。例年はやっつけでとにかく出してしまう、という感じになっていたが、本来こういうふうに書くのが年賀状なんだなあと思う。午前二時までとにかく書き続けたが、まだまだ半分くらいだろうか。というわけで大晦日は、おそらく午前中は少なくともこれで潰れてしまうだろうなあと思う。

それでは皆さん、よいお年をお迎えください。


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