梅田望夫・平野啓一郎『ウェブ人間論』(1)

Posted at 06/12/17 Trackback(3)»

梅田望夫・平野啓一郎『ウェブ人間論』(新潮新書、2006)について感想を。

ウェブ人間論

新潮社

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その前にと思って手嶋龍一・佐藤優『インテリジェンス 武器なき戦争』(幻冬舎新書、2006)を読んで読了したのだが、これもずいぶん面白く、かなりいろいろなことを考えさせられた。

さて書くぞ、と思ってウェブにアクセスし、そういえば本人たちのブログでもはてなアンテナに登録しようと思って検索してみてみたら、二人ともかなりこの本についてコメントしている。さらに将棋の羽生善治や、いろいろなコメントも既にいろいろで出しているので、そういうものを読んでしまうと自分の書きたいことを見失ってしまう可能性があるので、急いで読むのをやめ、まずは自分の書きたいことを書くことにした。

しかし。先ほどのエントリーにも書いたが、(申し遅れたが下のエントリーを先に読んでもらえるとありがたい)この本は自分の人生観とでも言うべきものにかなり作用しているので、なかなかうまく書けない、書きにくい部分がある。しばらくたったら全然違うことを違う観点から書く可能性もある。それだけ、自分の中を流動化させているのだ。しかし、今の時点で感じたこと、考えたことを文章にしておくのはきっと無駄なことではないし、これを読んでくださった方もまた、そのような感じや考えにそれぞれの反応が起こればいいなと思う。そういう現象を共有していくことが出来れば、それこそが「この時代に生きている」ということの意味なのかもしれない。などと考えたり。

新書・文庫などを読む場合、私はページの角を折り曲げてそのページに重要なことが書いてあったということを記憶する手がかりにしている。単行本ではもったいなくてそんなことは出来ないのだが、文庫や新書は自分にとってある意味インタラクティブなメディアなので、自分の考えも書きとめておく、つまり教科書兼ノートのような役割も果たすことになるのだと思う。『ウェブ人間論』は20箇所以上折り曲げてあるし、部分によっては毎ページ折り曲げてあるようなところもある。読んだ感想をまだ全体的にまとまっていないところもあるので、まずはページを追って考えながら感想を書いていきたいと思う。

梅田は自分のブログが「自分の分身」だという。なるほどなあと思う。私は身辺で起こることすべてを書いているわけではないし、自分にだけ判るように書くこともあるから、それは感覚として分からないではない。というか、実は私の場合もそうなんだな、と思った。私の場合、いくつかのブログや日記を並行して書くことが多いのだけど、毎日更新するものはそのうちひとつだけになるのが普通だ。なぜかというと、それが一番「自分自身のこと」を書いているものだからで、そうでないものはそのうち面倒になってきてしまう、ということなのだと思う。それを自分の分身と呼ぶところまで私は考えてはいなかったけれども、実はそういうふうに「軽く言ってみる」ことでそういうことが分かるということはあるなあと思った。

『ウェブ進化論』を書いた理由として、思考を構造化したかった、ということを梅田は言っている。これはなるほどと思う。私はこういうブログの文章を書くときもそれなりに構造化して(あくまでそれなりにだが)書くことが多いのだが、これは逆に「ブログ的でない」ということは常に感じてはいた。しかしそういう変なものであればこそ読んでもらえる特性にもなるだろうと思ってそういう書き方をしているという面がある。というか、そういう書き方をしないと自分の書きたいようにかけないということに過ぎないのだが、しかし、そのように書いても本に核ということとはまた全然異なるわけで、本を書く技術としては、つまり技術的には『ウェブ進化論』は未熟なところが多いと思ったけれど、いわばそれは思考の構造化のためのある種の試行錯誤の結果ととれば、なるほどと思うところがある。そしてそれは時に、未熟であるが故の訴求力の強さというものを持ったりすることもある。もちろんそれゆえの誤解も当然招くわけで、ウェルメイドである方が安全であることは間違いないが、「計算されてないガゆえのメリット」のようなものもかなりあったのではないかと思った。

ブログで書くことで成長する、という話は『ウェブ進化論』で読んだときにはあまりぴんと来なかったのだが、自分なりに知っていることを書くとそれについて批判がなされ、その人とやり取りをしていくうちに未知の人と信頼関係が生まれ、ネットの背後の広がりを実感し、それが刺激になってさらに勉強する、というようなことを書いてあって、ああなるほどそういうことか、と思った。これはインターネットになってからはあまり実感する機会がないのだけど、パソコン通信の頃には私もはっきりとあった。なかなか同じテーマで同じように論じることの出来る人というのはおおくはないけれども、確実にいることはいる。そういう議論の進む推進力としてブログを書くことの意味はあるということだろう。それはつまり『サロン性』につながっていく。平野が、かつては一部の作家たちとか研究者仲間とかカフェの芸術家たちだけに起こっていたことが起こりえるようになったとコメントしているが、私の場合は残念ながらなかなかそこまでは行かないけれども、そういうことが可能性としては起こりえるだろうなと思う。

『ウェブ進化論』についてウェブ上で書かれたものを梅田がすべてチェックしているという話は驚いたが実は実感はあった。全部で一万以上の反応を読んだという。私はこのブログでも書いたしその文章を『読書三昧』の方にもアップしたけれども、私の文章が梅田自身の「はてなブックマーク」にブックマークされていることに気付いたときにはちょっと驚いたし正直少々ひるんだ。しかし梅田が真摯に自分の文章に対する反応を丹念に拾い上げているということを考えたときに、少々感動的なものを感じたのもまた事実である。それにしても一万というのは凄いな、と思ったけれど。

私自身、自分の書いたものに著者自身からレスをもらったことは何度かある。梅田からは直接レスをもらったというのとは違うが、ブックマークされたということはそれなりに何かを著者にフィードバックしインスパイヤするものがあったからだろうと思うから、それなりに「役に立てた」という嬉しさと光栄のようなものを感じていいのだろうと思った。それにしても平野の言うように「力業」であることは確かだが。(というか、平野という男、私より13歳も下なのになんだか言葉遣いが似ている)

ああ、ここまで書いて少し疲れた。この先、本題に入っていく前に一度アップしてしまおうと思う。

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