自虐文学/『やし酒飲み』

Posted at 06/06/19

ラフマニノフの歌曲を聴きながら書いている。ラフマニノフは非チャイコフスキイ的、と評されているが、それだけチャイコフスキイの存在がロシア音楽においては大きいのだなと思う。プーシキンにはじまったロシア文学の幸福、チャイコフスキイにはじまったロシア音楽の不幸、という言葉を改めて思い出す。チャイコフスキイというのは私の中でどうしても二流感が伴う。あんまり聞いてないのにそんなことを言うのも不遜なのだが。ラフマニノフは好きだ。

Rachmaninov: Lieder
Sergey Rachmaninov, Ana Pusar
Orfeo

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昨日は雨の日曜日。なんとなく不活性で、しかし動きたいエネルギーも溜まっている、という中途半端な感じ。創作を一応仕上げたのだが、応募先の要項を読んでいて疑問を感じ、この作品はとりあえずお蔵入りさせて、何かいい応募先が見つかったらまた送ることにする。入賞作の著作権が主催者に帰属するって規定はおかしくないか。それに20字×20字という印字設定もなんだか納得できない。まあいいんだけどそうしたいなら。

夜はもちろんクロアチア戦に集中していたが、結局は「良く負けなかった」ということだよな。クロアチアは相当焦っていたんじゃないか。向こうのミスに救われた感じだ。日本代表はまだツキがある。野球のWBCでもそうだったが、日本は横綱相撲で勝とうと思っても無理なのだ。不可能を可能にする大逆転を実現させて初めてその先がある。「くよくよするな、次がある」というのは名言だ。PKを川口がセーブしていなかったら、次はなかったのだから。

しかしそれにしても次のブラジル戦は金曜日の午前4時からだ。ちょっと視聴環境を整えるのは難しいな。どうしたものか。

日中はクッツェーを読もうと一進一退。なんとかp.32まで行ったがぬかるみにはまる感じに困っている。shaktiさんのコメントに「自虐文学」とあったが、そうかそういうふうにとらえて読めばいいのかと思う。自分の痛さに耐えながら読むというのもある種の文学の醍醐味なのかもしれない。そんなことが自分に出来るのかどうか、やってみないとわからないが。

恥辱

早川書房

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午後は雨の中、あんまり家に閉じこもっていても発散しないので傘を差して出かける。雨が強くて、濡れた。思い立って近くの古本屋に出かけ、『イギリス人の患者』を探したらあった。そういえばこの古本屋は結構数があるのだった。ついでにゴールズワージー『林檎の木』(角川文庫、1956)を買う。こちらは50円。また傘を差して帰る。


イギリス人の患者

新潮社

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林檎の木

角川書店

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ネットをいろいろ見ていたら、芝居時代の友人がチュツオーラの『やし酒飲み』を題材にした舞踏をやっている、という話があって盛り上がる。この小説は保坂和志『書きあぐねている人のための小説入門』(草思社、2003)のp.4243に引用されているのを読んで、読みたいと思って探したけれど見つからなかったものだ。改めて読みたいと思い、面倒なので結局マーケットプレイスで見つけたのを注文した。なんだか毎週買っている。

やし酒飲み

晶文社

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書きあぐねている人のための小説入門

草思社

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ここまで書いている間に友人から電話がかかってきてずいぶん話しこんだ。あれと思うくらい時間が立っている。

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