フローベールとルノワール/人と時代

Posted at 06/06/01

昨日。一昨日が大変だったのでちょっと疲れが出たが、創作の方の手直しをそれなりに進めた。夜の仕事は忙しすぎもせず、暇すぎもせず。ちょっと面白かった。

本はほとんど読んでいないが、『感情教育』ははじめてフレデリックがアルヌー夫人と外出した場面、『ボヴァリー夫人』は退屈な生活を送るエンマが侯爵邸のパーティーに招かれる場面。どちらも有頂天になる描写で面白い。『感情教育』のほうは甘い描写、『ボヴァリー夫人』のほうは辛辣な描写で、フローベールが目指したのは最終的には『ボヴァリー夫人』のほうなのだろうが、私自身としては『感情教育』の方が好きだ。光のあるうちに光の中を歩め、といったのはゲーテだったと思うが、若々しいあまやかな恋愛感情はそれはそれで十分描写の対象たるべきだと思う。アルヌー夫人の描写を読んでいると、ルノワールの女性像が思い浮かぶ。それも全体的にどれ、というのでなく、ルノワールの筆のなでるように女性の肩を描き出すタッチ、雰囲気をかもし出す色の配置、というようなものである。若いころはルノワールの絵など甘ったるくて、と思っていたが、最近はそういうのも結構いいなあと思う。

寝る前にアルゼンチンタンゴのアンソロジーを聞く。『ラ・クンパルシータ』を久しぶりに聞いた。以前一度だけ、タンゴのリサイタルに行ったことがあるが、年配の方ばかりで珍しがられたことがあった。今は社交ダンスがブームだからもっと客層が広がっている、のだろうか。

サッカー日本代表、ドイツ代表と2―2の引き分け。高原が2得点、というのはドイツでプレーしている賜物だろうか。それにしても田中誠がけがで戦列を離れ、加地もけがの具合が心配だというのはディフェンスがどうなのだろう。ドイツから2点も取ったというのはすごいが、2点取られたというのはどうか、まあいいほうに考えるしかないだろう。日本がんばれ。

このところ訃報が続く。俳優岡田真澄、映画監督今村昌平、ロシア語翻訳家米原万里。高齢だったり体調不良が伝えられたりはしていたが、それぞれの分野で印象に残る仕事をした人たち。人が移り変わると、時代も変わる。美しい花がある、花の美しさというものはない、と小林秀雄は言ったが、人々の総体が時代と言う雰囲気を作り出すのであって、人々の存在を離れて時代と言うものがあるわけではない。というようなことを思う。ご冥福を祈りたい。

今朝もいい天気。空き缶やペットボトルがだいぶ溜まっていたので今日は収集日かなと思って川沿いを下って橋のたもとまで行ったらすでにたくさんの人が不燃物を出しに来たり整理したりしていた。だいぶ片付いたし、よかった。

昨日は朝は寒くてストーブをたいたのだが、午後からはだいぶ暑くなった。今日も暑くなりそうな感じ。梅雨に入る前に、少しは初夏がないと。今日から6月。


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by Luke Peterson

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