アメリカの原点/近代美術館「藤田嗣治展」/お正月と桜の季節の日本人の笑顔

Posted at 06/04/04 Trackback(1)»

昨日。なんとなく意気が上がらないまま、午前中は友人と電話で話したり。昼食後一休みしてからでかける。駅前の書店でソローを読んだりゴーゴリを読んだり。結局ゴーゴリ・平井肇訳『外套・鼻』(岩波文庫、1938)を買う。電車に乗って新御茶ノ水で降りる。

電車の中で、ソローについて考え始め、アメリカというものは西部の砂漠の中ではなく、マサチューセッツやバーモントの森の中で出来たのではないかという考えが浮かんできた。ターシャ・テューダーのことも思い浮かび、あの辺がアメリカの原点と考えるのが正当ではないかという気がしてきたのだ。地域は違うがヘミングウェイの子ども時代などにもつながっていくし、西部開拓ではなく東部開拓こそがアメリカなのではないかと考え続ける。

総評会館の前の交差点の斜向かいに巨大な三井住友海上のビルがあることにはじめて気がつく。就職活動か新入社員と思しきリクルートスーツがうろうろしていて、初めてそこが会社のビルであることを認識したのだ。人間関心のないものは見えない。

神保町に歩く。交差点をわたったところの三茶書房のワゴンをのぞくと、ソロー・神吉三郎訳『森の生活』(岩波文庫、1956)の上下が600円で売っていた。新刊だと上だけで600円だったし、これは買えということだろうと思って買う。書泉ブックマートと三省堂を冷やかしたあと、千鳥が淵の桜でも見ようかと西へ歩く。岩波ブックセンターをのぞいていくつか本を立ち読み。『論座』の特集を読むといろいろがっかりするようなことが書かれていたり。『文学界』はまだ新しいのがでていないが、車谷長吉のピースボートレポートを少し読む。田舎においてあるので続きはあとで読もう。

『芸術新潮』の藤田嗣治特集を読んでいたら、昨日4月3日は月曜日だが近代美術館が開館していると言うことを知り、大急ぎで竹橋に歩く。3時半を回っていた。講談社や小学館の前を走り抜け、毎日新聞社の角を曲がって近代美術館へ。

フジタはすごい。ちょっと昨日テレビで見たが、全部は見ていなかったのだけど、技法的に一度完成してからはもうやりたい放題好きなことをやっているという感じ。パリで陶器のような肌の女性裸像と猫のアンサンブルというスタイルが出来上がっている。フジタの絵は色数を極力抑えてあるのに物凄く多様な色彩を感じさせるところがすごい。あとの中南米の絵でもセピアっぽい方向に色数を抑えたり、アッツ玉砕などを描いた戦争画でも黄土色の方向に色数を抑えたり、戦後の展開もまたすごい。時間があまりないのと腰が据わっていなかったのとで、もう吸収しきれないくらい。今までフジタはあまりいいと思っていなかったのだけれど、今回の展覧会で全然変わった。あのフジタ顔の女性像子ども像や猫たちがどんどん自由に画面を暴れまわっているさまは圧巻だ。終いには宗教画になってもキリストもマリアもフジタ顔。横にはフジタ本人の自画像が礼拝していたりして。いやこの人には驚いた。こんな日本人画家は確かに他にいない。カタログとカードを4枚買う。

4時半にフジタを見終わってついでに見られる所蔵作品展へ。「舞妓林泉」など有名な絵が多いのだが、時間も気張りも足りなくてじっくり見られなかった。また見たい。40分には建物を出て、工芸館に急ぐ。45分に到着。この建物は昔の近衛連隊の司令部ということでちょっと緊張。226事件のとき、昭和天皇が「朕自ら近衛連隊を率いて叛徒を鎮圧する」といったことを思い出す。時間ぎりぎりまで工芸館を見るが、そこにはなんと四谷シモンの人形がいた。なるほど工芸か、びっくりだ。荒川豊蔵など民芸系の作家が多いが、駒場の日本民藝館の入場券の高さに比べると極端に安い。敷居はだいぶ低くなったのでまた行こうと思う。

充実しすぎて工芸館を出、千鳥が淵の方に歩くと、千鳥が淵と北の丸公園の間のお濠の両岸にまばゆいばかりに桜が咲き誇っていて、まるで夕方の夢のようだった。イギリス大使館前まで歩く土手道も素晴らしかったが、千鳥が淵に沿って靖国神社まで桜を堪能。5時を過ぎていたが靖国神社の桜も見ようかと大村益次郎の銅像のところから入るとまた目もくらむような桜、桜、桜。死ぬかと思った。本殿に向かうと、まだ開いている。春になると6時まで門が開いているらしい。参拝し、手を合わせて四海平和を願う。帰りはじっくり靖国の桜を拝観。女の子が「すごいすごーい」と言いながら散っていく花びらと戯れていた。昭和の子どものようだ。桜を見ると、みんな幸せそうな顔をしている。これは、お正月によく見る表情だ。毎日がお正月ならいいのに、と思ったことがあったが、毎日が桜の季節でもいい。

靖国神社というところは、来たことのない人にはわからないが、邪心を持って来なければ(つまり取材目的とか活動目的でなくという意味だが)とても心が落ち着いて気持ちがほのぼのしてくるところなのだ。全国から集まった人たちが英霊を安んずる気持ち、邪さのない笑顔で集まってくる。やはり靖国は日本の精神的な一つの中心だと思う。そういう意味で中国や韓国が恐れるのも分からないわけではないが。日本人の笑顔が、彼らには恐いのかもしれない。


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藤田嗣治:多彩な絵画世界

from 単身赴任 杜の都STYLE at 06/04/05

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