横浜探訪/養老猛『無思想の発見』

Posted at 05/12/13

昨日は横浜に出かける。何年ぶりか。石川町で降りて山手の方に上り、山手女子やフェリスの前の道を歩く。山手本通りというのかこの道は。いつも思うがこの道が一番自分の中の横浜のイメージに近い。フェリスの校門前のヤツデの葉が黄色く色づいてきれいだった。いつもは女子高生の集団が通るときなどほとんど無視して通り過ぎるのだが、なんとなく背筋を伸ばして歩く。心なしか女の子たちの声も鈴を転がすようだ。昔はどこで女子高生とすれ違っても背筋を伸ばしていたような気がするが、なんだかそれも遠い昔のような気がする。

港の見える丘公園はバラがきれいだった。12月中旬だとは思えないくらい。月曜日だったので閉まっている施設も多かったが、大仏次郎記念館はやっていた。見学はしなかったが、その前からの横浜の風景は広々として気持ちがよかった。ベイブリッジがあんなに大きく見える。低層のマンションか団地が並び、高速道路と海と家並みが織り成す景色。これもまた横浜らしい横浜。

フランス山というところにはじめていってみたが、フランス領事館の跡や風車があって面白い。ここに幕末にはフランス軍が駐屯していたという。カメラを持って来ればよかったなと思う。こういうところに来ると、携帯のカメラも悪くないなと思う。

バラ園のイギリス庭園の中にあるローズガーデンえの木亭で珈琲。待ち合わせにだいぶ送れて友人来る。創作の話、特に文章を書く話などしつつ、ヘルマン・ヘッセの『庭仕事の愉しみ』という本を見せてもらう。この本は面白い。ヘッセは実はあまり読んだことがないのだけど、面白いというところをざっと目を通すと、非常に共感を覚える文章がつづられていてちょっとびっくりした。今日買いにいく暇はないが、近いうちに読みたいものだと思う。バラのシフォンケーキを食す。ケーキに添えられたミニバラのつぼみが可憐。

いろいろ話し込んで港の見える丘公園から山下公園を散策し、トリエンナーレの裏話などを聞く。マリンタワーからむ数の赤い紐をたらすというクリストみたいな企画をやろうとした人がいたらしいが、結局ぽしゃったらしい。そのくらいやらせてあげればいいのになと思うが、役人天国では難しいのかもしれない。横浜はまだずいぶんましだとは思うけど。結局中華街になだれ込み、食べ放題の店で北京ダックを何皿も。食べ過ぎた。

創作を巡りちょっと深刻な話になったりして結局友人の家で話し込んで夜遅くに帰宅。東西線もダイヤ改正で遅い時間まで快速があるようになり、東陽町から歩いて帰る。

電車の中で西部邁・宮崎学『酒場の真剣話』(イプシロン企画)読了。いや、宮崎という人も西部という人もずいぶんこの一冊で分かった気がする。言葉の力というものについても改めてまた考えたりする。養老猛『無思想の発見』(ちくま新書)も半分くらいいった。日本人は無思想・無宗教だとよく言うが、まあそういう話。無思想・無宗教という思想であり宗教なのだ、というのが論旨かと思うが、私はどうもそういうのは眉唾だという気がして、無自覚の思想であり宗教だといった方が説得力がある気がする。日本にも膨大な数の思想家や宗教家がいたことを、そういう発想だと割合簡単に捨象してしまうからだ。ただそうした無自覚の思想や宗教を一度は意識に上らせなければならないということは確かだとは思う。

なんだか忙しい。

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