詩や絵画の流通の構造改革

Posted at 05/08/15

前後の記事と全く違う話だが。

以前に書いたようにメルマガで出していた詩を収録してまぐまぐ文庫で詩集を作ったのだが、ウェブで宣伝を書いて買ってもらうだけでなくどこか書店で置いてもらえないかと思い、ネットで幾つか調べてみたりした。

思いがけないことに、詩の雑誌としてはかなり幅広く知られていたサンリオ刊の『詩とメルヘン』が休刊になっていた。吉田戦車の『伝染るんです』では乙女チックなものの代表としてねたにされていたが、詩の雑誌の中ではかなり売れていたと思われる『詩とメルヘン』が休刊となると詩の世界も本当に厳しい情勢なんだなと思わずにいられなかった。

時々行っていた豊島区にある詩の専門書を置いている店はどうかと思いちょっとぐぐって見ると、確かに委託販売はしてくれるようだが金銭的なルーズさを告発する文章が出てきてやはり止めておこうと言う気になった。

現代詩というのは小説などとは違い売れるということがほとんど考えられない分野だから、それなりに(その世界では)知られている詩人でも自費出版であることが多い。個人的に売るのは限界があるから、委託販売をしてくれる書店は本当にありがたい。しかし、そのままでいくと、書店側が圧倒的に有利な関係が固定化してしまう。これは画家と画廊の関係などでもそうで、ずいぶん非近代的な関係が現在でもまかり通っているようである。
大量仕入れ・大量消費に向かない分野で新しいものを作り出すということはさまざまな面で大変で、不合理な構造が今でも解消されていない部分が多い。ネットの出現はひとつの可能性ではあるが、それで全てが解消されるわけではないように思う。

芸術的に良いものを作り出す土壌、そうした構造を作り出すことも、「構造改革」の課題においてもらえたらなあ、と思う。まあそれまでは、自分たちで悪戦苦闘するしかない。

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by Luke Peterson

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