モスクワ=北京枢軸

Posted at 05/07/01 Trackback(1)»

モスクワ=北京枢軸

いつも拝見している日本軍事センターによると、EUの武器輸出禁止解除が延期される情勢の中、軸足をEUからロシアに移しつつあるという。ロシアは石油輸出の好調で自信を回復しつつあり、プーチン政権も大ロシア主義的な傾向を強めつつあるようだ。

世界の成長センターといわれる中国と新たな大産油国のロシアが戦略的に結びつく、ということは日本にとっては確かに脅威であろう。明治以降、独立を維持するために戦わなければならなかった中国とロシアが結びつくということは、三国干渉の衝撃に近いものがあるかもしれない。

若い世代の人々は知らないが、われわれくらいの年代では、ソ連ははかりしれない力を持った世界最大の脅威だった。ソ連崩壊後、それが張子の虎であったことはかなりの面で明らかになったが、もちろん侮れない力を今でも持っていること自体に間違いはない。

アメリカは対中政策を硬化させているので、中国としてはどこかと戦略的に結びつくことが大きな課題で、今まではEUとの関係強化に努めていたが、中国が人権問題を根本的に解決することは不可能なので、EUとしてもある程度以上関係を深めることはできないだろう。そうなると、同じ独裁的体質を持ったロシアとの連携が一番実現可能性がある、と考えても不思議ではない。

胡錦涛がロシアを訪問しているが、アサヒコムはなぜかこのニュースを掲載していない。ニュースの軽重をほとんど理解していないとしか思えない。

北東アジアは長い間北と西を赤いブロックに囲まれ、韓国と日本と台湾が最前線だったが、中国とソ連が対立していたためにヨーロッパほど深刻な危険があったとはいえない。しかし、モスクワ=北京枢軸が成立すると、日本を巡る状況が一気に深刻化する可能性は確かにないわけではない。アメリカは東アジアを失う気はないだろうが、神浦氏が言うように朝鮮半島が中露に飲み込まれるくらいのことは想定しているかもしれない。そうなると台湾も時間の問題だろう。そうなれば最前線は日本である。中露のエージェント的な人々がこれだけ自由に動き回っている中で、最前線となった日本が果たしてどれだけの防禦を取れるだろうか。
と、不安をあおるようなことを書いたが、実は私自身としては今のところそんなに心配していない。というのは、中国とロシアというのは伝統的に仲の悪い関係であるからである。その問題の核心はモンゴル問題である、というのが故宮崎市定先生の卓見だが、中国は清朝の藩部であったモンゴルを自分のものだと思っている。新疆省やチベットと同じ地位なのだから、当然そう考えるだろう。モンゴルは中国に対する伝統的な反発からロシアについていたが、ソ連の衛星国である期間にひどい目に合ったこともあり、微妙な立場にある。モンゴル分割によって二頭の虎が腹を満たすことがない限り、この根本的な対立はそう簡単に消えることはないのではないかと思う。(考えようによっては、現在のように内蒙古と外蒙古、ブリヤート共和国にモンゴル人の生活圏が分断されていること自体がモンゴル分割だということもできるのだが)

テロリストに対抗するためには数百人の一般市民が死ぬことも厭わないロシアと反日暴動をあおり反政府暴動は力づくで弾圧する中国。この二つの独裁的体質国家が本当に枢軸関係に入ったら危険極まりないし、もしそうしたことが本当に実現したら本当の意味で21世紀が始まった、ということができるのかもしれない。

そのとき日本はどう動くのか。少なくとも、あらゆる事態を想定したシュミレーションと、日本がいったいどういう国家として存立していくべきなのかという原則論を、組み立てなければならない時期になっているのだろうと思う。

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