8.四月に読んだ本、続き。吉本隆明論とかヴィレヴァンとか。(04/17 13:06)


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4月に読んだ本続き。

4月13日までに読んだ本については前回書いたので、その続きを書こうと思う。

14日から16日までに買った本は4冊。うち3冊はマンガ。あとマンガ雑誌2冊。

14日。「週刊漫画Times」。「解体屋ゲン」の曳家の話が面白かった。

吟鳥子
秋田書店
2017-04-14

 

15日。吟鳥子「君を死なせないための物語」1巻(秋田書店ボニータコミックス)。「アンの世界地図」の吟鳥子さんの新作、同じ「ミステリーボニータ」での連載。今回はSFで、近未来のニュータイプもの。詩的、物語的展開。設定が複雑でわかりにくい部分があるけど、大筋は難しくないし、「地球をただ一目見るために」結婚した短命の不治の病「ダフネー症」の患者、という、なんというかきらびやかな話。恋とか愛とか願いとか望みとかが提示されて行く華やかさが少女マンガの本道という感じ。絵柄は、萩尾望都さんの影響が強いように思う。


呉智英
筑摩書房
2016-12-22



16日。呉智英「吉本隆明という「共同幻想」」(ちくま文庫、2016)。まだ読みかけているけれども、私はほとんどの著作を読んでいる呉智英さんの吉本隆明論。小林秀雄や花田清輝と同じく、吉本の文体は難解で韜晦しているからとても読みにくいのだが、作者はそれをすごくわかりやすく解読してくれ、目から鱗が落ちるよう。ああ、こういう読む喜びがあるということが、呉智英さんの著書を読みたくさせる魅力なんだなと再確認。韜晦した晦渋な文体でそんなに難しくない、あるいはそんなに新しくないことをさも超高度な議論のように見せる衒学的な手法を呉智英さんは一貫して批判しているが、それは日本において評論や哲学、詩論などが輸入学問として始まり、初期の生硬な訳の難解さが学の高度さと誤解され、その分野の学者たちも無駄に難しい文章を書いて来たと言う悪しき伝統があるからだと思う。私もその辺りは呉智英さんと同じスタンスだし、例えばおそらくはその延長線上で出て来た「光文社古典新訳文庫」などの試みはとてもいいことだと思っている。古事記を無駄に今っぽく訳そうとするような試みはどうかと思う部分もあるが、変な色気を出さずにただわかりやすく訳して行く試みは重要だと思う。


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