4641.村上春樹『ねじまき鳥クロニクル』は問題作か(04/23 08:50)


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昨日は8時前に家を出、松本へ。電車の中で『ねじまき鳥クロニクル』を読む。駅を降りて田園風景の中を歩く。このあたりは今がちょうど花の盛りだ。路地の奥にぱっと華やかな色が広がっていたので時間を気にしつつそちらの方に行ってみる。ちょうど満開の桜。この時期はふらふらと桜のいる方に歩いていってみたくなる。空も青く、風も暖かい。

仕事は打ち合わせだったのだが、昨年までとはずいぶん態勢が入れ替わっていてびっくりした。私自身の仕事は九月からだが、それまでに問題点が改善されているといいのだが。しかし全体的にフレッシュでスタッフもやる気に満ちている。建物も新しくなったし、問題点は徐々に解決されていくだろう。と思う。

12時半ごろそこを出ていつもは前を通るだけの喫茶店?に寄ってみる。どうも西洋のお城風の、駐車場の入り口に鉄仮面をつけた甲冑の兵士が二人番兵をしているという大変趣味のよろしい喫茶店?があるのだが、昼食をとらなければならないので初めてそこによってみる。出来たのは二年位前だったと思うのだが、まあそういう雰囲気なのであまり近寄らないようにしていた。しかし、駐車場はいつも満車だし、思ったよりおかしくは無いかもしれないと思ったのだ。

入ってみるといきなり「お帰りなさいませ」である。おいおいメイド喫茶初体験か?と思ったが、まあそれほど(どれほどだ)奇異なものでもなく、普通に子どもづれの客もいてメイド喫茶的なファミレス(どんなだ)とでも云うか。中は落ち着いたつくりで、黒木のいすとテーブル、窓際に案内されてアスパラと生ハムのパスタとコーヒーをオーダー。『ねじまき鳥クロニクル』を読み進める。味はまあ十分満足できるもの。思ったよりあたりだったなと思いつつ勘定を済ませて店を出ると、「行ってらっしゃいませ」と言われた。あたた。

普通電車に乗って乗車駅まで戻り、そこで跨線橋をわたって特急に乗り換える。『ねじまき鳥クロニクル』を読み続ける。今日は検札が来なかった。なぜだろう。車内販売で水割り(ジョニーウォーカーのレッド)とプリングルスを買って本を読み続ける。韮崎を過ぎたあたりから、右前に大きな富士山の姿。青くて白くて、単色で淡色だ。まるで青い墨で書かれた水墨画とか、青い印画紙に印刷されたモノクロームの写真のよう。こんな富士山を見たのは初めてである気がする。でも乗客の中で、あの富士山に気がついた人はどのくらいいるのだろう。圧倒される美しさのものがそこにあっても、多くの人は気がつかないのだ。そしておそらく私自身もそうして多くの美しいもの、素晴らしいものを見逃しているのだろう。良いニュースは小さな声で語られる、のかもしれない。

『ねじまき鳥クロニクル』を読み進める。列車の進行とストーリーの進行が微妙に重なる。大月を過ぎ、八王子を過ぎ、多摩川を渡り、気がついたら荻窪だ。読み終わったときには中野を過ぎていた。急いで支度をしてデッキに出る。ぼおっとしたまた階段を下り、中央線快速上りホームに上り、オレンジ色の電車に乗る。

東京駅で降りて、丸の内北口を出て横断歩道を渡り、オアゾに。サムシングルージュのケーキが食べたくなった。位置を勘違いしていて地下に潜る。ケーキを二つ買ってスタンプを押してもらい、スタンプカードの抽選に応募する。応募のボックスがもう溢れかえっていて私のカードを押し込むのに苦労した。これだけ応募者が多いって言うのもすごいことだ。さすが東京駅である。

昨夜は何をしたのか、まああんまり覚えていないが、アマゾンで注文してあった本とCDが届いていたのにこちらが留守をしていたため不在票が3枚も入っていた。連絡して8時過ぎに来てもらうことにする。その間に買い物に行こうと思ったがどうも体がだるく、そういうことをする気にならないので夕食はコンビニに出て弁当を買って済ませた。8時過ぎに荷物が届く。ダムロッシュの"What is World Literature?"とグリンカの『ルスランとリュドミラ序曲』である。私はオペラ『ルスランとリュドミラ』の全曲を注文したつもりだったのだが、来て見たら序曲だけで、あとはグリンカのほかの作品とスヴィリドフと言う現代の作曲家のものだった。しかしよくみてみたらプーシキンの小説の映画化したものの音楽の編曲と言うもので、ま、いいか、と言う感じである。


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