3371.本を読む意味を取りもどす/石原慎太郎も半分気違いだ(07/14 10:30)


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昨日。部屋の中を片付けよう、というかまずは本棚をどうにかしようと思いつつ、あまりに本が溢れていて途方にくれる。考えていても仕方ないなと思いつつ洗濯したり、食器を洗ったり。洗濯物を外に干そうとして、そういえば汚れたレースのカーテンももう10年以上前のだなあと思い、近くのニトリに見に行くことにした。安かったら買おうと。

150cm×180cmくらいのサイズのがあまりいいのがなかったのだけど、結局ブルーがかったのを買って北西側の部屋にかけてみたらさわやかな感じになった。これはいいと思ってもう一度出かけ、ブルーのがなかったので黄緑っぽいのを買ってかけてみたらすごく黄色くてやや困る。北西の部屋は元のカーテンが緑が基調、南西の部屋は黄色。まっきっき。家具も茶色いし、ちょっとさすがにどうなんだろうと思う。でも隣の部屋と比べなければ、これはこれでありかもという気もする。

なんだか本のことを考えるのがうんざりしてきて、しばらく本から離れるのもいいかなと思う。「美しさ」ということを考えていても、白洲正子などを読んでもまず物から、ということばかり書いているし。でも、レースのカーテン一つ架け替えるだけでかなり気分が変わることは確か。

(あ、今日7/14はパリ祭=フランス革命記念日だ)

一昨日、久しぶりに土鍋でご飯を炊き、朝はそれで済まして、昼はパレットのパン。3時頃でかける。気分転換といっても、とりあえずは手近な街。日本橋で降りて、郵便局に行き忘れているのを思い出し、丸善の裏の日本橋プラザへ。お金をおろして、1階に山梨県の物産館があるのに気がつく。煮貝とか、山梨の名物が割りとリーズナブルな値段であった。これは、と思ったのは印伝があったこと。印伝はいいものを見るためには甲府に行かなければいけないかと思っていた。銀座コアの中にも印伝の店はあるのだがいかにも高そうだし。割と自然に見られる場所がこういうところにあるのかとメモっておこう。各県の物産館というのは、どこに行ってもわりと楽しい。隣に山口県の物産館があり、鯨のベーコンだとかふぐの何か(なんだっけ?)があったりして面白い。金子みすずの便箋とか祝儀袋とかがあって、これはいいなと思った。木製パズルとかも。贈物とかするときにはここを思い出せるといいなと思う。

なんとなく楽しくなって丸善に入る。一階を見て二階に上がり、マンガのコーナーを見たら東村アキコ『海月姫』の二巻(講談社、2009)が出ていたので迷わず買う。さてしかしそれからどう行動しようかと迷い、どこかのカフェでも行こうかと雑誌をぱらぱらめくって、大丸に行ってみた。しかし結局お茶をしたいなという気にならず。バーゲンでいろいろ出ているが、デパートのバーゲンは十分に値段が下がってないのでいまいち買う気がしない。ブランドだったらある程度は出費を覚悟はするんだけど。で、八重洲口をぶらぶらと南下し、八重洲ブックセンターの喫茶に入る。ここは東京駅の様子が見えて、わりと好きだ。林檎タルトもコーヒーも堅実な味。いろいろ見たが結局小林よしのり編『日本を貶めた10人の売国政治家』(幻冬舎新書、2009)と石原慎太郎『私の好きな日本人』(幻冬舎新書ゴールド、2009)を買う。題名だけ見たらすごいが、立ち読みしたら二冊ともかなり面白かった。

それからガードをくぐって東京国際フォーラムの中を歩く。修学旅行客や、何かのコンサートかイベントに来ている人たちでごった返していた。西銀座デパートのHMVをのぞいたり、三省堂をのぞいたり。銀座一丁目の地下通路に潜る。この道を行けば地下経由で中央通りに出られるということに気づく。隠密行動に最適。何の目的が。でも一丁目付近だからちょっと北過ぎる。教文館まで南下して、なんとなく新書や文庫を見ていたら、立ち読みに熱中して来た。この感じは久しぶりだ。なんだか楽しい。

岩波文庫のコーナーで美に関する本を見ていたら、ディルタイやらニーチェやら、結構あることに気がついた。いろいろ読み比べて見ると結構楽しい。古い本が多くて印刷が悪かったり翻訳が古くてよくわからなかったりするものが多いのだけど、読んでいて熱中してくる。美というものはなんだろう。読みながら、多分美には相反する二つの考えがあるといっていいのではないかと思う。つまり、『美は調和だ』という考え方と『美は破調だ』という考え方。これはもちろんどちらかだけで成り立つわけではない。人は調和の取れたものを喜ぶ感覚もあるし、調和が取れすぎるとそれが崩れたものに新鮮な快楽を感じる感覚もある。またカントを読んでいると、美は感情性が感じるもの、という表現があってへえと思う。美というのは感覚、感受性の問題だと思っていたから。しかし、人を本当に動かす美は、確かに動かすと言うことは、感情を動かすということだ。癒しとか、喜びとか、興奮とか、そういうものを人間の感情に現象として巻き起こすものだ。そのあたりのところ、もっと考えてみてもいい。


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