3358.村上春樹『アンダーグラウンド』/ツジトモ『ジャイアントキリング』/勝間和代『断る力』(06/19 18:40)


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寝床の中で読んでいたらそのまま寝てしまい、気がついたら電気をつけっぱなしだった。時計を見ると4時。寝たのが12時半だったからさすがに睡眠時間が少ないなと思い、二度寝して起きたら6時20分だった。しかしこの二度寝はどうも失敗臭く、起きたらぼおっとしてしまった。モーニングページを書いてから軽で職場に出てゴミを捨て、灯油を補給して家に戻る。15リットルくらいは入っていたからやはりけっこう重いな。8時過ぎに出発して松本へ。途中諏訪湖畔のセブンイレブンでコーヒーを買う。天気がいい。薄もやがかかって、湖にはもうアオコが発生していた。10時から愉気の会。腰が痛かったのだが、じっくり愉気してもらってだいぶ軽くなった。しかしどうも疲れが出てしまい、帰りは途中で何度か休憩しながら帰った。花を買ったり、ヤマダ電機で中古のPCを見たり。湖畔に行って、遅い昼食。景色がいい。3時ごろまで湖畔にいて職場へ。

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<画像>断る力 (文春新書)
勝間 和代
文藝春秋

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勝間和代『断る力』(文春文庫、2009)。現在84ページ。慶応中高大、マッキンゼー日本支社勤務、マスコミの寵児という彼女の様子から見てなんだかアメリカナイズされたありがたいお言葉が並んでいるのではないかという先入観は全く外れた。何というか、私が考えるようなことがいっぱい並んでいて読んでいて面白くて仕方ない。線を引きまくっている。しかし、私が迷って違う方にベットしてしまったような問題を明解に違う方に断言していて、その根拠をいろいろなものを引用して説明していて、ふうん、こういう説明の仕方があるんだなあと思う。その説明が上手く出来なくて、結局違う選択をしてしまったようなところがたくさんあるから、説明能力というのは本当に大事だなあと思う。

「断る力」を持つことで「コモディティ=便利な汎用品として使い回される存在」を脱け出し、「スペシャリティ=ほかに替えのきかない特別の存在」になることを実現する、というのがこの本の基本的なテーゼだ。これを百倍薄めれば「ナンバーワンよりオンリーワン」「世界でひとつだけの花」ということになるわけだが、現在の日本では下流志向という言葉に表れるように、能力の高い、とされる人よりも能力が低い、とされる人たちのほうがオンリーワン志向が強いという現実がある。実際問題として、ナンバーワンよりオンリーワンというのは「上を向いて歩いてばっかりいる人たち」へのオルタナティブの提案だったのに、上を目指した方がいい人たちに目指さなくてもいいんだという変な安心感を与える方向になってしまって、メッセージを伝える相手が間違っているということになっている。

この本はまあビジネス書なので、あまりそういう心配はないかもしれないが、まあこういうものはなんでもそうだが毒にも薬にもなるものだ。なかなかそこのところの手加減は難しいと思う。

私などは基本的にコモディティを目指すという方向性がもともと皆無だったので、コモディティにならなければならない状況に陥ったときにものすごくストレスを感じて死にかけたのだが、今考えればいろいろ周りから雨の降ってくる忠告めかしたさまざまな批判にまともに取り合わず、自分の直感を信じて選択し、振り返らないようにしていればもっと上手く振舞えて、自分の正しいと思うことを実現していけたのに、人が正しいということのほうに気を取られすぎて結局どちらも失敗してしまった、という感じになった。自分の中に判断基準がなければ自分のやりたいこと、自分の正しいと思うことを実現することが出来るはずはない。そういうことで悩んでいる頃にこの本があったらもっと違うことになっていたかもしれないとも思うが、だいたいこの著者は私より年下なのだからそれは無理というものだ。


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