3331.川の土手を通る道/金大中死去/政権交代という「未知の不幸」(08/19 17:17)


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翻ってわが日本を見ると、やはりどん詰まりもどん詰まりで、やはりこれは何がどう転んでも政権交代は必至だろう。しかしそうなるとどんなことが起こるだろうか。

「小泉チルドレン」という言葉があった。郵政選挙の自民党圧勝に乗って、90人近く当選した当選一回の議員たちだ。彼らの質が低いということが相当話題になり、そうとう揶揄もされたが、誰も指摘しないことだけれども、今度の総選挙で民主党が政権を取ったら、同じようなわけのわからない一回生議員がまた雨後の筍というか夕立の後の蚊柱のようにうじゃうじゃと湧いて出てくることは今から明らかではないか。彼らは全くチルドレンであって、前回比例で自民党から杉村大蔵のような考えられない議員が出てきたのと同様、支持団体が民主党本部に相当たくさんの候補をねじ込ませたらしい。そんな状態で、政権を取った経験に乏しい民主党の幹部たちは、そういうおのぼりさんたちを上手く御すことが出来るのだろうか。むしろ大混乱を来たすのではないか。

その兆候はすでに総選挙の前哨戦によって選ばれた東京都議会に現れている。新人議員たちは民主党の執行部のいうことを聞かず、会議が開けない状態になっているのだ。こういう体たらくが衆議院に起こったらどうなるかと考えてみるだけでぞっとする。国民も自分たちの選択のもたらしたあまりの惨状に唖然とすることだろう。

まあ都議会と違って民主党本部にはどすのきいた小沢一郎という存在がいるから、都議会ほどバラバラにはならないかもしれない。しかしバラ色の公約を実施するのに熱中している間はいいが、苦い現実と向き合わなければならなくなったら彼らにそれに耐えうる力があるのだろうか。

だからと言って自民党が政権を握りつづけても何も変わらないではないか、といわれるかもしれないしそれもそのとおりなのだが、民主党が政権を握ったら確かに「チェンジ(変化)」は起こる。しかしいい方向に変化する保証はどこにもない、ということにも注意しておくべきだろう。

簡単に言えば今回の総選挙は、自民党政権という「よく知っている不幸」と、民主党政権という「未知の不幸」のどちらを選択するのか、という選択なのだ。私は前者の方がましだと思うがたぶん後者になるだろう。そうなったときにどこまでこの国がばらばらになるかだ。それが日本が出なおすための前向きの解体ならばいいのだが、ただとめどもなく崩壊していく、その税所の蟻の一穴にならなければいいがと願うのみである。

まあ事物の勢いというのは止め難い。そう動き出してしまったものが急激に方向転換することはできないだろう。その中でわれわれは、守るべきものを守り、目指すべき目標を忘れないようにして暴風雨の中に飛び出していくしかない。誰が生き残れるかは神のみぞ知るである。


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