2960.久しぶりの雨/新しい面白さが認められるまで/私はデカルトを笑うことはできない(09/08 15:47)


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久しぶりに雨が降った。夜中に降ることは信州では時々あったけれども、日が出る時間以降に雨が降っているのは久しぶりだ。10時の気温が23.5度。今までの気温に比べると驚くような気温だが、季節を考えるとそんなこともない。今日は白露。残暑もこれでようやく一区切りつくのだろう。東京も26.4度だから今日は東日本は涼しい日和なんだろう。

昨夜はずいぶん激しい雨が降って傘をさしていてもびしょぬれだし、車のワイパーもフル回転させていた。でも少し時間が過ぎると嘘のように上がったり、今朝も目が覚めた時にはかなり降っていたが、今は虫の声が聞こえるだけだ。低い雲が遠くの山にかかっている。やはり台風に影響された雨という感じだ。

昨日帰郷。昨日は少し早く家を出て、丸の内の丸善で仕事の本を何冊か買ったので、荷物がだいぶ重くなった。お腹の調子がいまいちだったので弁当を買わず、おにぎりを二つと月曜に木村屋で買ったパンの残りですます。車内ではおおむね寝ていたが、起きている時にはオースター『ガラスの街』とペルヌー『フランス中世歴史散歩』を読む。基本的に、二冊ともあたりだった。面白い。

<画像>フランス中世歴史散歩 (白水uブックス)
レジーヌ ペルヌー,ジョルジュ ペルヌー
白水社

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『フランス中世歴史散歩』。フランスの各地方を、中世の歴史をたどりながら紹介する、といった趣。1章はノルマンディー。ノルマン人の首長ロロンがカロリング朝の国王からノルマンディーを与えられてから、ウィリアム征服王がイングランドを征服し、プランタジネット朝がギュイエンヌからアンジュー伯領、ノルマンディーからイングランドにかけての大領土を築きあげたのを、カペー朝の諸王がその領土を削ることに腐心し、ついにフィリップ2世尊厳王がジョン失地王から最終的に奪い取るまでの期間を描く。2章はブルゴーニュを修道士の国とし、クリュニー修道院や、シトー派の聖ベルナールの活躍を描く。3章はカペー家発祥の地、イル・ド・フランス。王権の歴史、宮廷の実態、中世の人々の暮らしなど、かなり詳しく書かれていて、長い。まだ3章の途中。64/262ページ。中世フランスのことについては知っていることもかなり書かれてはいるけど知らないこともかなりあって、知識をまとめ掘り起こしながら読んでいる感じがする。

ただ一般向けということもあるのだろう、どの世紀がどういう状態か、というようなことについてやや厳密さが甘いというか何となく流れて書かれている感じがあるなあとは思った。これは日本の江戸時代研究の一般向けのものでも時にそうなのだが、江戸時代と言っても260年あるわけで、その中ではもちろんすごくいろいろ変化している。ウナギのかば焼きは田沼時代にはまだなかったと池波正太郎は書いているが、『風雲児たち』には平賀源内が「土用丑の日」にウナギを食うと夏バテしない、という宣伝を成功させたエピソードが出てくる。池波によるとかば焼きが出て来たのがその20年後くらいなのだが、ウナギ自体は串に刺した庶民の食べ物として売られていたのだと言う。だから本当は源内もそういうものをプロデュースしたのかもしれないのだが、まあそんな具合に結構時代考証というものは難しい。フランス中世と言っても長いので、教会建築にしても12世紀はロマネスク、13世紀はゴシックとかなり変化している。まああんまり厳密だと読みにくいということも確かにある。


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