昨日上京。体感としては、だいぶ涼しくなってきた気がする。先週までは東京にいるときは窓を開けたまま寝ていたのだけど、昨夜はちゃんと閉めて寝た。それでもあまり汗をかかずに目が覚めたので、やはり涼しいんだなと思う。今は東側の部屋でブログを書いているが、風がよく通る。季節は確実に移り変わっているのだろう。
ただ、あまり汗をかかなかったのは、睡眠時間が少ないせいもあるかもしれない。いつもそんなに長くはないとはいえ6時間くらいは寝るのだけど、昨夜から今朝にかけては4時間ほどしか寝ていない。1時過ぎに入浴してさて寝るかとなんとなくテレビを見ていたら仲道郁代のショパンの弾き方講座をやっていて、ついキーボードを弾きながら見てしまった。ピアノと違って音を落とせるので深夜でも弾けるというのがキーボードのいいところだ。もともと水曜夜の番組のようだが、BSでは土曜深夜(日曜未明)に再放送ということのようだ。しかし午前2時10分から35分か。毎週見るのは大変そうではある。
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ペルヌー『フランス中世歴史散歩』100/262ページ。ようやくイル・ド・フランスの章を読み終わり、「巡礼の国オーヴェルニュ」の章に入った。イル・ド・フランスの章は長々とパリ周辺のいろいろな事物について書いている。中世の国王の財物の徴収能力が実に低いということは大変よくわかった。カペー朝時代の有力な国王といえばフィリップ・オーギュスト(フィリップ2世・尊厳王)、フィリップ・ル・ベル(フィリップ4世・美麗王)らがいて、イングランドのジョン失地王との争いの過程などから既にフィリップ2世の時点でかなり中央集権の実を挙げているようなイメージを持っていたのだけど、実際にはヴァロワ朝に入ってルイ11世やシャルル8世の時代になるまで権威とか権力とかはともかく機構としての王権は大変弱かったのだなと再確認した。
もう一つ興味深かったのはパリ大学の話。教授と学生の組合が司教から独立することを教皇から承認されたのが大学の起源で、ということは中世における大学というのはある意味自然発生的に生まれたもので、それが後に権威によって承認されたという過程をとったということなのだなと思う。79〜87ページに当時の大学の様子が描かれているが、知っていたこともあるけれども全体像が有機的に結びついていろいろ興味深かった。
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しばらく読んでいなかった『碧巌録』を帰りの特急で読んだ。六十六則から六十八則。読んでよくわかるとはいえないけれども、少しは雰囲気がわかってきた感じがする。こういうものは丁寧に読むことが大事だなと思う。アンチョコ的なものを読んで理解した気になっても仕方がない。どういうことなんだろうと自分で考えてみること自体に意味があるということだと思う。目の付け所はいろいろあると思う。野口晴哉の『碧巌ところどころ』の読み方が興味深い。独特な見方で読んでいて百年の知己みたいな感じで論じている。私も私なりの読み方ができたらと思う。昨日読んでいたのでは六十八則が面白かった。自分なりに訳すとこうだ。
「お前は誰だ?」
「俺はお前だ。」
「俺は俺だぞ。」
「俺も俺だ。」
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