2954.ビートたけし『達人に訊け!』(11/23 10:50)


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きのうはどうしていたんだろうとふと思うと、そういえばあまり調子がよくなくて休んでいた時間が結構長かったということに思い当たった。ちょっと最近忙しくしすぎではあるだろう。しかし体のバランスをとりつつ頑張っていろいろなことを実現していきたいと思う。

ただ、サイト整備とか仕事に必要なレジメをまとめる作業とかはやった。どちらもそれなりに進んだが、どうもよくわからない点などもいくつかあり、調べなければいけないこともありそうだ。

ビートたけし『達人に訊け!』読了。『新潮45』に掲載された10人の「達人」との対談をまとめたもの。奥本大三郎、毛利衛、桜井章一、戸田奈津子、藤原正彦、北原保雄、藤田紘一郎、中村祥二、岡部幸雄、岡野雅行。このうち全く知らなかったのは奥本、北原、中村の三氏。あとはなんとなくを含め、それなりにどこかで読んだことがある人たちだったが、話はいろいろと面白いものだった。昨日も書いたがどちらかというと理工系というか、非文系の人たちの話に興味深いものが多い。

<画像>達人に訊け!

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面白いと思ったところに付箋を挟む。ただ、面白くても文章で著しようのないもの、面白いと思っても「これはメモしなきゃ」とは思わないものもある。付箋を挟んだ個所は、奥本一枚、毛利一枚、藤田一枚、中村三枚、岡部二枚、岡野四枚だった。雀鬼・桜井章一、映画字幕の戸田奈津子、数学者・藤原正彦、国語学者・北原保雄もそれぞれ面白かったのだが。

奥本は仏文学者だが日本昆虫協会会長。面白かったのは、蟻の巣には蟻だけでなく、たくさんの虫(ヒゲブトオサムシなど)が住んでいるという話。言われてみればなるほどと思うが、蟻の巣だから蟻しか住んでいないような気がするのは認識不足なのだ。蟻の巣はいわば超高層ビルでたくさんの虫が住んでいて、一番下はごみ捨て場になっているのだという。確かに人間の住居でも好むと好まざるとに関わらずいろいろな生物が住んでいるわけで、蟻の巣のような巨大な構築物に他の生物が住んでいてもおかしくはないんだなあと思った。意外だけど。

宇宙飛行士・毛利衛の話で「そうだったのか」と思ったのは、中国の有人飛行より失敗した日本のH?UAロケットの方がはるかに技術的に高度だという話。表面的な派手さから言えば有人飛行のほうが華々しいが、中国のロケットはケロシンという普通の燃料を使っていて、H?UAは水素を燃焼させて水を発生させる環境負荷の低いエンジンで、それだけ制御が難しいのだという。うーん、確かに技術的にはその通りだろうと思うし、中国の方が技術的に進んでいるということもまあ考えにくい話だと思っていたから納得はしたのだが、政治的なアナウンスメント効果はやはり中国の方がずっと高いことは否定できない。政治的なアドバンテージを獲得することにすべてを賭ける中国の姿勢もどうなんだと思うけれども、現実世界でそちらの方が有利になってしまう現実も日本はもう少し考えたほうがいいのではないかという気がする。このあたり文系と理系の発想の根本的な違いがあるんだろうと思う。

藤田は寄生虫の専門家で、たけしとの対話は尾篭な話が多くなっていたが、ちょっと勘弁してもらって面白かったことをかくと、肥溜めの表面はピザのように固くなっていて、その上を渡れるかどうかを競うという遊びをたけしが子どもの頃していたという話。私の子どもの頃も確かに肥溜めというものはまだ存在したが、そんなキケンなことをしようとは思わなかったなあ。それをやっちゃうところがたけしなんだろうと思うが。


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