22.生成AIの問題について:OSや検索エンジンの失敗を繰り返さないために/ジェンダーのことなど(04/06 10:08)


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ジェンダーの宗教的議論にはあまり付き合う気持ちはないのだが、日本では江戸時代に国学で「ますらをぶり」「たをやめぶり」といった概念が出されているけれども、感情表現のようなものは万葉集の時代からとても進んでいると思うし、女性の歌人も何人もいて、また人物評のようなものは六国史のような史書から「古今和歌集かな序」の批評など早くから生まれていると思うのだが、フィクションにおける人間評価みたいなものは主に女性によって描かれたともわれる物語文学・随筆文学によって生み出されてきたわけで、この「女性による表現」が文学史の最も重要な部分にあるというのは日本文学の特徴の一つと言っていいのだろうと思う。

農業社会であった日本では女性も基本的に生産労働を担ってきているわけだし、女性の権利が後退していくのはむしろ儒教の影響がどのくらい及んでいるかということに各時代関わっているように思う。また明治に輸入した西欧文明も基本的に男尊女卑であったことも大きいだろう。基層文化における一定以上の女権の強さと、表層文化における弱さというものが微妙に絡んでいるのが日本の近代だったと思う。「原始女性は太陽であった」と言えたのはそういう前提があってこそのことだろうと思う。

ジェンダー的なものも宗教にならずにより妥当な歴史的経緯・科学的根拠に依拠して落ち着くところに落ち着けば良いと思うのだが、現状は西欧的なジェンダリズムに対して世界が拒否反応を起こしている感じではあり、日本としても舵取りが誤られなければいいなあとは思っている。


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