【身体の中の虚空】
<画像> | 「快楽」は体にいい: 50歳からの免疫力向上作戦 (新潮文庫) |
帯津良一・幕内秀夫 | |
新潮社 |
まだ万全とはいえないが、体調はだいぶ良くなってきた。月曜日の夕方に日本橋に出かけて買ってきた帯津良一・幕内秀夫『「快楽」は体にいい』(新潮文庫、2013)を読む。簡単に読めて、そう新しいことが書いているわけではないけど、ホメオパシーやプラシーボについて少し考えることがあった。でも自分にとって一番インスピレーションを受けたのは身体の中には何もないスペースがあるという、考えてみれば当たり前のことだった。その空間に満ちている気、というのがすごくイメージがはっきりする感じがして、自分の中に虚空が存在する、という感じが具体的に物質的な根拠を与えられた感じがした。頭というのは基本的に脳が詰まっているけれども、身体の中にはある意味さまざまなものが自由に動くスペースというか虚空のようなものがあり、それが人間の外にある大きな虚空とつながっている、というイメージが、自分の身体に対するイメージをより豊かなものにしてくれる感じがした。
【taffy:意識が絡め取られるサウンド】
<画像> | Caramel Sunset |
taffy | |
Club Ac30 |
昨夜仕事を終えて帰って来るとイギリスで活躍中の日本人バンドtaffyのアルバム、『Caramel Sunset』が届いていて、寝る前に聞いた。すごく広がりのある音で、聞いているとわくわくして来る。プラスチックスとかヒカシューとかの音を思い出す部分もあり、最近のアンジェラ・アキのある種の曲を思わせる部分もあり、全体に不思議なドライブ感があるのがいいなと思ったのだが、今朝車で出かけるときにかけていて、聞きながら「これはまずい」と思った。何というか、音の中に全体的に包み込まれてしまって、車を運転しながらトリップしてしまう。車を運転するのにちょうどいい音楽というのがあって、それはどちらかというと高音中心でのびやかな気持ちの良いカリフォルニア系の曲とかバロックとかということになるのだが、taffyのサウンドはそういうものではなく、幅広い音域からこちらに攻めて来るので、特に低音と中音の間の厚みのようなものに、意識が絡めとられてしまう。グレゴリアン・チャントなどをかけていると音楽を楽しみながらも運転に意識を集中できるのだが、taffyの曲は聞いていると運転などどうでもよくなってしまう感じがあり、これはカーステには向かない曲だなと思った。侮れない音だ。